茜色した思い出へ

きょうじゅ

だいいちわ

 えい、えい、おー! と、夕焼けの落ちゆく黄金色の海を背に、カボチャの王様が気勢を上げていた。


 これから、戦争が始まるのだ。カボチャの軍隊と、カブの軍隊の戦争が。この惑星惑星ヴィスパの覇権を巡る、二つの種族の戦争が。


 もっとも、夜を待って戦争をするといっても、いわゆる夜襲とかそういうものではない。なぜなら、彼らは両種族とも、夜行性だからである。


「ヒーホー! 今こそ、あの白っちいルタバガの奴らを殲滅するときが来たホ!」

「ヒーホー! おうさまバンザーイ!」

「ヒーホー! 集え! 我らの旗のもとに!」

「ヒーホー! 戦え! ククルビタの栄光のもとに!」

「ヒーホー!」

「ヒーホー!」

「ヒーホー!」

「ヒーホー!」

「ヒーホー!」


 彼らの呼号する声は、どこまでも果てしなく、茜色の空のもとに響き渡り続けた。

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