08 逃避の選択
あの全てがかわってしまった日から、二週間が過ぎた。
そろそろここにいられるのは限界。
病の影響で、血をもとめないといけないから。
私の心は次の犠牲者を探し始めている。
同じ場所で殺人が続いたら、さすがに怪しまれるだろう。
だから私はばいばいをした。
さよならを言って、もう会わないつもりだった。
公園によりつかないようにして、荷物をまとめて準備をしていた。
一人で旅立つつもりだったから。
けれど、彼が私の手を掴んだ。
「君が地獄にいくというなら、一緒についていく」
私は嬉しかった。
でも、受け入れていいのか分からなかった。
彼のやさしさに甘える事を。
彼の未来を、ねじまげてしまう事を。
それに。
私達はまだ子供。
力もない。
縁もない。
お金もない。
きっと望んだ場所の最後まではいけない。
絶対に途中で力尽きてしまう。
そんな旅に、大切な友人を巻き込んでいいのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます