第11話 (主人公の知らぬ間に)ライバル登場! 名前がカッコイイ女の子!!

(ポテトサラダおいちい)


 支払われた報酬で食うまともな飯はうまいな。まだ近場で良い店を見つけてねえし、基地で当たり・・・の飯が食えるのはありがてえ。さすが一般層だぜ。税金諸々引いてパイロットの純粋な取り分は4割だがなッ。


 それでも稼いだ金の95パーセントが税金に持っていかれる底辺とは訳が違うな。あっちは建前として最低限の食料は無償で保証されるが、出てくる代物はガチで碌なもんじゃない。


 家畜の飼料入れてそうな安いやっすい感じのパック詰めで配給されるのは得体の知れないピンクやブルーの流動食。あんなもの食ってたら栄養失調か食中毒で死ぬわ。フードカセットがまだマシに思えるってんだから狂気の物体だぜ。そう思うよう仕向けてんだろうがよ。


 国は貧民の救済措置として無償の食事を用意してます、食べないのは彼らの自由ですってな。クソが。


《ほぼ芋なのがなんともナー。ポテトサラダじゃなくてマヨポテトって感じ》


 スーツちゃんの言う通り白いポテトの中にシュレッダーにかけた紙みてーなペラペラのニンジンとかキュウリとか、ホント申し訳程度に散見してるだけだからなぁ。それでもマヨに使われてる卵もガチでオーガニックだからわりとうまいぜ。


(贅沢言ったらキリがねえよ。オレもできれば肉が食いてえけど)


 人由来でも虫由来でも合成でも無い家畜の肉がよー、ガブッと食いてえよ―。


《一般層なら普通のお肉も流通してるでしょ? チキンは比較的安いから食べるとしたら鶏肉だね》


(それでも焼き鳥串一本程度で一般層の外食3食分の値段だからなぁ。毎日は厳しいぜ)


 牛や豚に至ってはその3倍から5倍以上の値段だ。並の稼ぎじゃ月一でもキツイ。税金がクソ高過ぎて高給取りのはずのパイロットでさえこんなんだ。底辺層の税金と比べるからマシに見えるが稼ぎの6割とか普通に狂気だろ。


 大昔のでっかい戦のあとにこれ以上の税金が取られた時代ってのもあったらしいがよ。たぶん取る側は自分たちの分だけはうまいこと誤魔化してやがったろうな。無知が仕組みを知らないから損をするだけ、とかうそぶいてたに違いねえや。


《まだまだ生活用品も必要だしねー。低ちゃんはコピーする服もちゃんと買うから節約できないし》


(買わずに使うのは節約じゃなくて盗んでるってんだ。使うものは買う)


 結局着るのは購入した衣服の形状をコピーして、そっくりにモーフィングしたスーツちゃんになるがな。でもクローゼットの肥やしになってもいいんだよ。ちゃんと買うって行為が大事なんだから。

 まだクローゼットは買ってねえから袋に入れたまま床に放置してるがよ。配達無しで自分で担ぐ前提だからデカい家具は買うの億劫なんだよなぁ。どうせ他人を入れないんだしカラーボックスあたりで誤魔化すか?


《んふふふ、低ちゃんは擦れてても根っこは真面目君だから好きだゾイ?》


 問題はスーツちゃんがOK出しそうにえってこったな。部屋にコップひとつえからとりあえずで買った食器とかさえ、いかにもな女の子趣味ばかりになっちまった。どこでも使えて割れねえ耐熱樹脂製とか、ステンレスコップは女子としてダメダメらしい。便利なのに。


(そりゃどーも。オレもスーツちゃんが大好きだよ。悪ふざけするところ以外はな)


 ああ、悪ふざけで思い出したぜ。スーツちゃんの言動規制のせいでどうもおかしなことになっちまったんだよな。


 トイレで人の尊厳守り通して戻って来たら、いつのまにかオレがバカ共を許したみたいな話になってやがった。『もういい』この単語だけじゃ伝わらねえのは無理ないがよ。


 肝心のブチ殺したい制裁したいオッサンも基地にある特別牢とやらに収監されちまって、スーツちゃんの情報を分析するかぎりちょっと今の状況じゃ手が出せねえ。警察でも軍隊でもねえのに施設に牢があるあたり、やっぱ物騒だねぇS関連は。


 それにしてもあのオッサン、この基地の長官の親戚って話なんだよな。ありゃ罪で入ったんじゃなくて、ジジイに親戚を殺されるのを恐れて避難させたんじゃねえかと結構な人数が疑ってたのが笑えるぜ。


 長官の、たしか火山だっけ? オレを無理やり別のロボットに乗せようとしたりするし、問題のある男のようだ。目をつけられたら面倒、って今更だな。ニアピンだがそこそこカンが良いようだ。


 オッサンはジジイじゃなくオレが殺してえんだよ。


 絶対殺す。これはオレの中の決定事項だ。別の誰かに十分制裁されたからとか、法の裁きを受けたからとか、そんなものは関係ねぇ。死ぬようなイモ引かされたオレが落とし前つけさせなきゃ今後オレがナメられる。


 こっちは生き死に賭けた人生送ってるのに、そんなクソみたいな行為を許したら命がいくつあっても足りやしねえ。最悪事故装ってロボットで収容区画に突っ込んでやる。あえて残酷に殺す気はねえが、挽肉くらいにゃなってもらうぞオッサンよぉ?


《人生を豊かにするスパイス、それはユーモアなのだよお嬢さん》


(スパイス効き過ぎなんだよ。むせ返るわ)


《むせると言えばBULLDOG。あちこち黒い煙まで吹いててもう無理っぽいねー》


(あれだけ満身創痍でよく頑張ってくれたよ。戦闘中に正確な状態知っちまったら諦めてたかもしれねえ)


 マジで内部機構が半壊してたからな。スーツちゃんの分析だと本来の部品以外の不正規ジャンクが使われてる箇所があちこちにあったらしい。そのせいで部品の耐久力は足りないわ最初から動作信号拾わないわでメチャクチャだったのだ。いや、マジでよく動いてくれたよ。


 ありがとうよBULL。オレが生きて帰れたのはスーツちゃんとオメーのおかげだ。


《あの不良整備士お排泄物が武器とロボットのパーツをチョコチョコとかすめ取って、借金のカタとして怪しげな組織に渡してたみたい》


(はっ、よくやるぜ。中身をチマチマ入れ替えてでBULLDOGを組むつもりだったのか?)


《さあ? 部品から技術研究でもしたかったのかな? BULLDOGはどちらかというと現実寄りのロボットだし、スーパー系よりは外用に技術盗用の余地があると思ったのかもね》


『Fever!!』にボコられるリスクを冒してまですることかよ、迷惑な連中だな。こりゃあのオッサン底辺層行き確実だ。ちょっと無理とか言ってないでさっさと殺さねえと。『Fever!!』が相手じゃオレだって文句が言えねえ。


(となると次の出撃は別のロボットか。BULLに近いタイプはもう無いんだっけ?)


《あるけど単機、単座じゃないから低ちゃんのオーダーには該当しないね。この際だし、合体機いっとく?》


(ヤダ)


《子供かっ、あ、今は子供か。14歳の未成年だもんね》


(機種転換は面倒臭えがしょうがねえ。可変機でいくわ。まだ空いてるよな?)


《GARNETね。4週も格納庫で埃を被ってたし大丈夫でしょ、申請しておくばい》


 ばい? あーいいや、このおふざけちゃんの語尾にいちいち突っ込んでもしょうがねえ。しかしあのロボットが4週も出撃無しか。シミュレーターで試した感じ、そう悪いロボットじゃねえんだがな。オレの趣味には合わねえけどよ。


 ちょっとエネルギー管理が面倒で、ロボット形態も飛行形態も操縦のクセが強いってだけだ。あ、そっちより問題なのはオプション兵装かもな。可変機はこの辺がやたらシビアで汎用品さえ付けられない場合が多い。


 装備に幅が無いのはイコール取れる戦術に幅が無いって事。戦いの引き出しが少ないのは案外嫌がられるんだよなぁ。オレも嫌だ。ひとつ通用しないと負け確定負確ってのはいただけねえ。


 御多分に漏れずGARNETも外付けの増強火器はほとんど付けられそうにねえな。大きい物ほど変形時にパーツ同士が干渉したり、ウェイトバランスが崩れ過ぎてソフトウェア側だけじゃ対処し切れないようだ。かといってカウンターウェイト積む余力もないとはシビアだわー。


 まあGARNETに限らず飛行機に可変するロボットは特に切り詰めた設計をしてっからな。後付けの汎用火器を接続する余地はマジでえ。オプション接続のためのパーツさえほとんどつけられないってんだから困ったもんだ。


(はあ……、機種転換訓練よりもランチャー戦術以外を考えねえとマズいかな)


《うーん、今回のハイドザウルスも半分ランチャーで仕留めたみたいなものだし大げさじゃないか。低ちゃんのファーストキルはほとんどロケット弾の乱れ撃ちだものねー》


 楽でいいんだよアレ。効果範囲が広いからとりあえずブッ放しておけば敵のどっかに当たるし、対空で撃ち落とされても爆風で一瞬だけだが視界を奪って、近くで爆発すれば相手を爆圧で地面に張り付けたり体勢を崩せるからな。次の一手でまず先手を取れる。単機で戦うオレからするとこれが馬鹿にできねえメリットになるんだわ。


 ようは撃たれたくなきゃ先に撃てだ。被弾したり、それを嫌って攻撃から逃げ回るとこっちの手数が減っちまう。そうしてモタモタしてたら敵が増えてますますジリ貧だ。これまでのリトライの死因もこのパターンがほとんどだからな、火力至上主義にもなるって。


《でも悲観することはない、GARNETにもランチャーはあるぞよ?》


(……マジ? やったじゃん。兵装カタログ見逃してたわ)


《ビームランチャーダケドナー》


 爆発しねえのはいらねえんだよっ!!





<放送中>


「くっそぉッ! 三島、もう一度!」


 シミュレーター内で気炎を上げる少女。彼女の自機はこれで本日49回目の撃破判定を受けてしまった。今のところ何度やっても着地までたどり着けていない。それどころかシャトルとのドッキングさえ3回に1回しかできていない始末。


<シミュレーターから降りて自分で設定したまえ。何度やらせる気だい?>


「いいからもう一度、感覚を忘れちゃうだろ!」


<僕としたことが失敗したよ、内部で操作できるようにスイッチでも作っておくべきだった>


 基地にはパイロットが訓練するための多様な設備が設けられており、そのひとつが訓練室の一角に配備された操縦シミュレーター群である。この機器の最大の長所は、設定されたロボットの操縦席に似せるため変形する機能を持つというもの。


 この機能を利用することで、ひとつのシミュレーターでもいくつものスーパーロボットの操縦訓練が可能になっている。1機辺りの導入コストは高いが間違いなくメリットが多いため、ほとんど基地ではこの機材か同じ系譜の前世代型シミュレーターを揃えていた。


 ただし、少女が今乗り込んでいる機材は他の正規シミュレーターと異なり、無骨な配線がいくつも繋がっていてまるで試作品のような姿をしていた。そして繋がっている配線を神経群とするなら、神経の終点である個人端末は脳―――否、端末はあくまで出力装置であって本体ではない。


 金と知識に物をいわせて限界まで改造したこの端末の持ち主、天才と称される少女、三島ミコトこそ本体と呼ぶべきだろう。この記憶媒体に詰め込まれたプログラムは彼女が情報を集め、精査し、作成したのだから。


<興が乗って玉鍵の戦闘状況を再現したシミュレーションなんて作るんじゃなかったよ>


 シミュレーターの向こうで悪態をつくチームメイトに構わず、ひたすらシートに噛り付く少女の名は綺羅星きらぼしヒカル。三島とは幼いころからの知り合いであり、同じ試験でパイロットに合格した同期でもある。


 ヒカルとミコト、そしてもうひとりを加えた同年代三人でチームを組んだ彼女たちは初出撃を生き残った。その戦績は撃破3。中型機1を含む小型機2を撃破し、十分な戦果を得たヒカルたちは喜びの中で凱旋した。


 三人の乗機は獣型ビーストタイプと呼ばれる虎を模した四足歩行の陸戦機。合体することで人型のスーパーロボット、40メートル級『獣機キングタイガー』に変形する。


 合体前の形態では獣型特有の圧倒的な機動力を生かして高速戦を得意とし、合体後は機動力こそ落ちるが飛行能力を獲得して三次元的に戦うことができるようになる。


 その最大の武器は三機の出力を合わせた強力な近接攻撃『タイガーフィスト』。破壊のエネルギーを込めた問答無用の剛拳で敵を殴り倒すものだ。といってもヒカルは破壊のエネルギーとやらが何なのか、具体的な理屈はまったく分からない。頭の良い三島に説明を受けたがチンプンカンプンだった。


 友人は理解を放棄したヒカルに呆れていたが、ヒカルからすれば馬鹿らしい話だと思った。理解できなくても使えれば事足りるじゃないかと。自販機の原理を知らなくて困ることなどない。お金を払ってボタンを押せば欲しい物が出てくる、それだけが大事な事だろうに。


 そういう意味でもシンプルに殴り掛かるこの機体がヒカルは好きだ。合体前の獣形態も主力は牙と爪による接近戦がメインになっているので戦いやすい。一応火器もついてはいるが、当のヒカルは射撃が苦手なので空中の敵はともかく地上戦では牽制程度にしか使っていないが。


 この野性味あふれるスーパーロボットのメインパイロットとして搭乗するのがヒカル。基地からはタイガーチームと呼称される三人のリーダー的な立ち位置にいる。生憎と他が自己中の天才と引っ込み思案のチームメイトという構成なので、完全な消去法であった。


 おおざっぱな性格で、彼女を知る者からは性別を間違えて生まれてきたとまで陰口を叩かれている。しかし体力と戦闘センスは抜群の才能を持っており、今回の初出撃で倒した小型機の1機は彼女が合体前に単機で倒したものだ。


 乗機は『シャインタイガー』。輝くシャインの名を持つ猛虎は会敵した相手をものの数秒で見事引き裂き、基地内に頭ひとつ抜けた存在感を知らしめていた。


 知らしめたと思っていた。帰還後の数時間だけは。


 彼女たちはチーム。一人あたりの戦果報酬の割り当ては寂しくなるが、中型を一体でも仕留めれば十分黒字になる。今回は特に小型機2がそこそこの報酬を得られるタイプであったことで、ヒカルは後発の活躍を見るまでもなく自分たちが最大戦果になるのではと思っていたほどだ。


 帰還したヒカルは心地良い疲労感を感じつつラウンジに陣取り、初めての狩りの疲れを癒していた。しかし、チームメイトのひとりである三島からの通信で余韻を台無しにされることになる。


 通信の数分後、大型の恐竜型ドラグーンタイプを撃破した同期がいるという話で持ち切りとなったラウンジで、ヒカルはジュースの入ったカップを握り潰した。


「あいつか、やるじゃん」


 玉鍵たまの事は知っている。自分と同じ女で同年代、パイロット試験で最優秀の成績を修めて主席として新米パイロットの前で挨拶をしていた。同じ教育機関に通う転校生。


 基地の壇上で見せた鮮烈すぎるその姿は、まだ目に焼き付いて離れない。


 あれほど美しい同性をヒカルは見たことが無い。自分ではそこそこと思っている容姿も、アレ・・と比べられたら石ころだ。だが、その事に不思議と反感は感じなかった。理由はおそらく、壇上にいた彼女の態度にあったのだろう。


 媚びていないのだ、玉鍵は。男に、大人に、媚びる気配がまるでなかった。あれだけ美しいのに女のを感じない。


 ヒカルには玉鍵の容姿よりも何よりその誰にも媚びない姿勢が眩しく、そして何故か無性に悔しくなった。


 綺羅星ヒカルは物心つくまえから空手を学んでいる。親や師匠にスジが良いと褒められ、素直に喜んで格闘技にのめり込んだ。


 だが昔から抱えている不満もあった。


 ヒカルは男が嫌いだ。プライドが高いだけの男、フェミニストを気取る男、女は殴れないと言い訳する男どもが大嫌いだった。


 女であるだけで戦う能力を疑い、大会で成績を残しても男たちは下駄を履かせてもらったように物を言う。いざとなったら男の自分たちのほうが強いとでも言いたげの態度にヒカルは腹が立ってしかたなかった。


 戦って叩きのめしても、女は殴れないから負けてやったと言いたげな男たち。あげくヒカルが女らしくしないことをあげつらい、陰口を叩いては逃げ回る始末。同性として『女が腐ったような』とは言いたくないが、そんな連中ばかりが周りにいた。


 白黒つけても認められない。何をやっても男だから女だからで話が止まってしまう。悔しくて仕方なかった。


 信頼していた師匠でさえ、強弱よりも精神論を説いてはぐらかすようになるとヒカルは荒れ、暴力事件を起こして三名ほどの同門の少年を病院送りにした。認められない鬱憤を晴らすために。内心やり過ぎたと思いながらも、もう止められなかった。


 事件が明るみになってからもヒカルは問題なく日常を送れていた。再三にわたって挑発してきたのは少年たちのほうであり、また相手は三人で男ということで彼女は叱られはしたが補導されることは無かったのだ。


 それさえもヒカルは不満だった。相手が男だからなんだと言うのか、自分が女だからなんだというのか。したのはまぎれも無く自分だというのに。女というだけで罰を与えられる資格さえ無いというのか。


 だから悔しい。自分が認められたくて荒れ狂っても認められない中で、玉鍵は場にいるだけで男にも女にもヒカルにも敗北感を刻んだ。それが何より悔しい。


 そしてここにきてヒカルを上回る戦果報告。どこまでも玉鍵は自分の上を行っている。


(認めない、負けてたまるか!)


「三島!」


<分かった分かった。50回目で切りもいいし、これで最後にしてくれよ>


 綺羅星ヒカルはパイロットになって良かったと思っている。散々に男女の性差からくる価値観で苦しんだ彼女からすれば変な話で、相手が人でなければ男より戦果を挙げても周りが認めてくれるからだ。男より凄いと。


 あれだけ女をバカにしてきた同門の少年パイロットが戦死して、女の自分が生き残っているのもおかしくてしかたない。


 男は理想の死に方のひとつとして女を庇って死ぬという妄想を垂れ流すらしいが、あいつは自分のヘマで惨めに死んだ。たぶん今後行われるだろう葬式でどんな顔をすればいいのやらと、今から困っているくらいおかしい。同門で知り合いだろうと、ヒカルはざまあみろとしか思えなかった。


(どうでもいいか。今は競う相手がいるんだから)


 確信がある。なぜそうなのか明確な言葉にできないが、誰もが認める玉鍵を戦績で上回ることができれば男よりも強いと完全に認められる気がする。誰よりも自分が納得できる気がするのだ。


 そのためにもまず訓練だ。相手を実力を肌で知るために同じシチュエーションで戦い自分との力量差を測る。今のところその差は圧倒的で玉鍵の影さえ見えない。


 だがヒカルは諦めない。一撃必殺の拳も一度で練り上げられるわけではない。鍛錬を重ね月日を重ねて成るものだ。

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