負けず嫌いの二人

「そうよね、結果は見えてるわね……」

「えぇ、私が貴方に負けるはずないもの」


 不穏な空気が流れている。

 二人とも負けず嫌いなので、対立している。

 今にも一触即発の雰囲気だった。


「それじゃあ、学院の訓練場で決着つけましょう」

「えぇ、いいわ……」


 そう言って二人は出ていく。

 なんていうか、いい起爆剤で僕に飛び火することはなかった。

 

「それじゃあいこっか」

「そうだね」


 そう言って僕達は図書館へ向かう。

 図書館に向かい、各手続きを進めると僕らは入室する。

 王立図書館でも一般で入れる場所と生徒のランクによって入れる場所が決まっている。


「それじゃあ、すぐ戻るから」


 ルラが行けるのは一般書庫までなのでここで分かれることにした。

 そう言って僕は奥に行くと看守に僕の生徒手帳を見せる。


「サウル・ラット……一法生第二席……確認しますのでここに触れてください」

 

 そう言われ僕は看守に言われた通り、石碑に触れると扉が開く。


「どうぞ」


 そう言われ中に入る。

 そのまま僕は目的の書物を探す。

 あの話があるとすれば、王国の伝記物だろう。

 探していくが、それらしい記述はなかった。

 各国の成り立ちや大きな事件……それらしい記述は何処にもなかった。

 しかし、勇者のいる国は存在した。

 その国はセルシオ王国という中規模の国だ。

 ソウの書いてあることがあるとすればこの国の事だろう。

 僕はそれを読み進めていくことにした。

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