来訪者

「皆~!! 元気して……」


 勢いよく扉が開かれた先に居たのは、クレアだった。

 クレアは今の状況が読み込めないのか、ゆっくり扉を閉める。

 そして再び勢いよく開かれる。


「皆~!! 元気してる~!!」


 何事もなかったかのようにそのまま入ってきた。


「お、何かのお祝い?」

「う、うん……この子達のお祝いでね~」


 ミリスが近くにいたリラ・ルラをクレアに紹介する。

 クレアは二人を見ると、彼女に近づく。


「よろしくね、私はクレア……よろしくね」

「私はリラ、よろしく」

「ルラです」


 そう言うと、クレアは二人を交互に見つめる。

 そして何かを理解するような顔をする。


「な、なに?」

「ううん、何でもない……それより、これはどういう状況?」


 僕らを指差すクレア。

 放置されているとはいえ、流石に女の子一人覆いかぶさっているのだ。

 流石に少し苦しい。

 体勢が崩れたことで、腕が動かせるようになった。

 彼女をどかせると、僕は彼女を横に寝かせる。


「あぁ、いちゃついてるだけよ」


 一方的に抑え込まれてただけなんだけど……。

 

「さて、面白いもの見れたし彼女を部屋に運んでくるわね」

 

 そう言って母はセシアを抱え、レアと同じ部屋に運んでいった。


「ウオラさんっていますか?」

「今日は警備ですが……」


 警備には一人いないといけないとかで、父は第三皇子の護衛についている。

 

「ふ~ん、そっか~」

「何か言伝なら聞くけど?」

「ううん、大丈夫……それより、私も参加してもいい?」


 僕らがもちろんと言ってクレアもパーティーに参加するのだった。

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