錬成教授

 学園の案内を終え、僕らは今日ミリスの家でリラルラの歓迎会をするということで僕はそれまで彼女達を町に案内する。

 

「ねぇ、どれだけ歩くのよ~!!」


 場所は王立図書館、前に来た時よりさらに奥に進む。

 そして歩いていくと、一人の男が立っていた。

 

「遅いぞ」


 入学式で僕と戦った気怠そうな男だ。

 彼の名はスレイン、気怠そうな見た目でもまだ二十代の男だ。

 彼には僕は色々あれから教えてもらった。

 彼の専門分野は投影、錬成、魔術だ。

 主に近接戦での魔法を講義している。


 まぁ実際、魔導士の必修ではない為、基本受けに来るのは冷やかしか、受ける授業がないから単位の為と受けるやつのに主に二種類だ。

 結構為になるのにな~っと思うのだが、皆あまり必要ないと切り捨ててしまっている節が見受けられる。

 当然だ、魔導士とは魔法……主に中遠距離を想定した戦いだ。

 なので必要ないと他の生徒は思っているようだ。

 他には適性がないと魔力の消費も激しいのも必要ない原因とされている。

 だけど、僕のように適性があると近接も可能となり、攻撃の幅が広がるのも確かだ。

 そんなわけで色々彼の研究室で話しているため、仲良くなったというわけだ。


「すみません、ちょっと模擬戦を……」

「え、君達も錬成魔法に興味があんの!?」

「え、いや……」

「そうだよね、興味あるよね!! 錬成魔法って奥が深いから、うん」


 始まったよ、教授の悪い癖。

 彼は錬成魔法についてとなると人の話を聞かない。


「教授~」

「特にこの魔法は、土と……」


 こりゃ駄目だ……。

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