瞬足

 彼女の魔道具?が光を放つと一瞬のうちに僕は吹き飛ぶ。

 速いなんてもんじゃない、常人の行きを超えていた。

 吹き飛ばされた方を見るが、誰もいなかった。

 っという事は後ろか!!

 左右に魔力防壁を張る。

 案の定、彼女は攻撃を繰り出すが、防御に阻まれ威力が低いのか彼女にそのままぶつかる。


「……!!」

 

 苦悶の表情を上げる。

 そのまま倒れ込むと互いに倒れ込む。

 すぐに起き上がり、近くにいる彼女が構える前に彼女に攻撃を仕掛ける。

 もう一度あれを使用されれば、僕に勝ち目はないのだ。

 彼女はすぐに対応する。

 剣戟が鳴り響くが、先程のようなスピードがなかった。

 こうなれば、戦える……そう思っていた。

 速い、彼女の攻撃は剣だけでなく、武術かわからないが攻撃が変則的すぎる。

 片手で剣を持って僕の剣を上手く受け流し、間合いを詰めてもう片方の手で拳を放ったり、変幻自在だった。


「グゥっ!?」


 拳をまともに喰らうが、彼女の腕を掴む。


「捕まえた」


 彼女は剣を投げ捨て僕の肩を掴み、頭突きを繰り出してくる。

 これはヤバい、間に合うか!?

 身体強化で身体を強固にする。

 しかし、彼女の攻撃はそれより固いのか、弾かれる。

 

 なんて石頭……強化していなかったら意識を持っていかれていただろう。

 しかし、彼女は僕よりもふらついている。

 思った以上にダメージを受けている。

 やるなら今だ。


 そのまま格闘戦に持ち込む。

 多少ふらつくが、戦闘には問題ない。

 一方彼女の方は、ふらついて攻撃に力がない。

 足元を払う。


 そして彼女が地面に転がる。

 それを利用し、彼女に馬乗りになる。

 ここで躊躇ったら、恐らく彼女にやられる。

 僕は拳を振りかぶる。


「そこまで!!」

 

 ルラの言葉で戦いは終了した。

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