この半年

 ルラの言葉で僕は彼女から離れて手を差し伸べると、彼女はむくれた顔で僕の手を取る。


「負けた……」


 悔しそうに彼女は言うが、僕も一歩間違えたら危なかった。

 彼女はあの日から色々と成長していた。

 剣だけを極めるだけでなく、色々考え自分なりのスタイルを手に入れたと垣間見えた戦いだった。 


「じゃあ、次は私ね……回復ヒーリング


 僕の傷が回復する。

 

「連戦はきついんだけど?」

「大丈夫、次は魔法戦だから」


 どこが大丈夫だっと突っ込みたいところだが、まだ魔力があるので戦える。

 

「五分ほど休憩してからでいいか?」

「いいわ、リラ……その間、準備運動手伝って」

「えぇ、いいわよ」


 僕は休憩していると、二人は準備運動という名の組み手を始める。

 それも僕達が村でよくやっていた身体を伸ばす組手だ。

 これは僕の両親が編み出した身体を柔らかくする方法だそうだ。

 他にも用途があるだろうが、そこは考えないでおいた。


 それにしても、少し見ない間に変わったな~。

 なんだっけか、三日会わざれば刮目してみよ(この場合は半年)というが、まさにその通りだ。

 僕が強くなるのを同じくして彼女達も強くなっているのだ。

 いや、下手すれば僕なんかより強くなっている気がする。

 

 エリート学院と呼ばれる学校に居ようが、田舎で独学でやろうが天才は天才なのだと証明する程、リラは強くなっていた。 

 姉妹二人で戦闘に研究したのだろうが、実践的すぎた。


「そろそろ行けそう?」


 準備運動を終えったのか、ルラはこちらに近づきそう言った。












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