差を埋めるには

「彼女達に謝りなさい」


 魔弾を撃ち込まれ、満身創痍のウェルサにカエラと彼の後ろにいる三人に目を向ける。

 しかし、彼は謝るどころかふてくされた顔をしている。

 まるで子供が怒られふてくされているような感じだ。 

 ウェルサの前で何かが弾ける。

 エレナの魔弾とウェルサの魔壁がぶつかったのだ。

 まだそんな余力があるのか。

 不意打ちとはいえ、あれだけの攻撃を喰らえば痛みで魔法は展開できないはずだ。


「まだそんな力が」


 エレナは彼に弾を撃ち込むが、壁に全て弾かれる。


「硬いな~、ファリオス並みじゃない?」

 

 バンバンっと撃ち続けていくと、彼の魔壁に傷が入る。

 弾けた音はすべて同じ場所だった。

 一点集中の射撃だ。


「クソが!」


 ウェルサは悔しそうにそう言うと、紅い液体の瓶を取り出す。

 貯魔だろうか、紅く染まった液体をウェルサは一気に飲み干す。

 飲み干すと同時に瓶が音を立てて割れる。

 攻撃の方向を見ると、サリスが正確に瓶に向かって魔法を放っていた。


「うぁ、あぁぁぁぁぁっぁぁあ!」


 獣様な声でウェルサが呻きながら声を上げ苦しんでいる。


「痛い、痛い! そうだ薬!」


 もう一つの蒼い瓶を飲み干そうとするが、サリスの攻撃がもう一度攻撃して阻止しようとしたが、何者かに弾かれた。

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