合流

 誰なのだろう。

 先程まで付いてきたという何者かの正体を考えるも、全く心当たりはなかった。

 可能性はあるが、それ程までの実力の敵になりそうなやつは全く心当たりなかった。


 ウェルサ? 


 否、そんなことはあるはずがない。

 あいつならそんなまどろっこしい真似はしない。

 今の彼には力があるのだから、いつでも僕達を襲う事は出来る。


 なら、誰だろう?

 二人にも聞いてみたが、心当たりはなさそうだった。

 今皆と合流し、その追跡者も姿が消えたらしい。

 

「セッシ~、きつそうだね~」


 レアが今は何も出来ないセシアの頬をつついてそう言うと、怒った顔でレアを睨んでいる。

 この後、絶対やり返されるぞ~。


「ほれほれ~」


 抵抗できないのを良いことに、レアはセシアを抱きしめ頬や頭を撫で倒す。

 セシアは必死に抵抗するが、力が入らないのか押し退けるが出来ずにされるがままだった。


「離……せ……!」

「無抵抗のセッシ~を逃す手はないぞよ~」


 訳の分からない言語を述べながら、セシアを撫で倒している。

 セシアがされるがままなんて、レアなのかもしれない……レアだけに。

 そんなしょうもないダジャレを頭の中で考えてしまった。

 そしてセシアは抵抗しても無駄だと観念したのか、抵抗をやめた。

 顔は恥ずかしいのか怒りなのかわからないが、茹蛸の様に真っ紅に染まっていたのは言うまでもない。

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