実力差
「くっ……!」
セシアは弾丸が当たり、苦悶の声を上げ膝をつく。
エレナも彼女の声と共に攻撃を止める。
「これ、威力は低いけど、連続だと痛いでしょ?」
確かに、彼女の弾は一発は大したことはないが、蓄積されればそれなりの威力を誇っている。
一撃はそれを退けたり避けたりすれば致命傷にならずに済むが、この攻撃は少しずつ蓄積されていくので少しずつ動きが鈍るのだ。
スピードで分けて蓄積するか、一気に殲滅するかの違いだ
膝をつくセシアを上から見下ろすエレナ。
セシアは痛い身体に鞭を打って起き上がる。
「もうやめておいた方がいいんじゃない? 貴方の魔法じゃ、私には勝てないわよ?」
彼女の言う通り、相性においても実力においてもエレナさんの方が圧倒的だ。
だけど、諦めるわけにはいかない。
皆勝つために必死に戦っているのに、首席である私が諦めるなんて許されない……許されるわけがない!
彼女に諦めるという気持ちはなかった。
エレナは彼女の黒い瞳を見ると、深く溜息を吐く。
「その目……いいわ、諦めるまで付き合ってあげる」
セシアは魔法で加速して一気に距離を詰める。
エレナは一瞬驚くが、直ぐに対応する。
「速いね、近距離戦なら勝てるって?」
エレナの武器は遠距離戦、対するセシアの武器は遠近両方可能なのだ。
即ち、エレナの方が不利になる。
セシアとしては彼女の得意な戦いで勝利したかったが、もうなりふり構っていられない。
プライドを捨てて突っ込む彼女だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます