コロナとセシア

「さぁ、来なさい」


 セシアがコロナにそう言うと、彼女コロナは少し動揺する。

 彼女の力は嫌というほど知っている。

 この試合において最も危険なのはコロナがあっさりやられて他の支援に向かうことだ。

 ここは、なんとか時間を稼がないと……。

 とはいっても向こうもカナリア以外は実力がわかる。

 コロナは他を見る。

 オットーがサウルなら時間を稼げば勝つことも可能だが、相手はアリエなので一筋縄ではいかないだろう。

 

「周りを見てる余裕があるの?」


 その言葉と同時に鎖がコロナを襲う。


「くっ!」

 

 コロナも負けじと鎖を出す。

 鎖と鎖がぶつかり、消える。


「不意打ちなんてセシアらしくないね」


 コロナの煽りにセシアは笑う。


「いうわね、なら」


 セシアは右手を上にあげる。

 炎が凝縮していく。

 これはまずいと本能的に感じる。

 この魔法を完成させると自分は負けるとそんな気がしてならないのだ。

 

「させない!」

 

 風矢を放つ。

 左手で防壁を張り、矢を弾く。

 なんて操作力なの!

 それでも複数の魔法を放つが、全て弾かれる。

 そして魔法は凝縮し、一つの武器が完成する。

 両端に槍の刃のようなものがあった。

 上級魔法、魔装だ。

 魔法で己のイメージで作り上げる彼女特有の武器。


「さぁ、やりましょうか」


 地面に差し込むと、熱量で地面は置いただけで地面に突き刺さっていく。

 周りを見るが、どこも自分の事で一杯なのか相手に集中していた。

 これは、私が倒せないといけないな~。


「行くわよ!」

 

 セシアの言葉と同時に炎の斬撃が飛んできた。

  



 

 

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