決着

「オットー君!」


 その場で崩れ落ちるオットーを見て叫ぶコロナをリックは見る。


「ここで降参してくれると嬉しいんだけど?」


 もはや打つ手なしの状態、しかし彼女は魔法を展開する。


「君は魔法しか使えなさそうだね、降参するべきだ」


 瞬間で間合いを詰められ、口を塞がれる。

 魔法を使う者にとって致命的だ。


「降参でいいね?」

 

 その言葉と同時に彼女の両手が彼の胸にあたると、爆発した。


「リック!」


 予想外の攻撃、彼は不意を突かれ吹き飛ぶとゼノンは驚きのあまり声を上げた。

 リックはそのまま宙返りして着地する。


「あっぶね~! 無詠唱使えるなんて予想外だったわ~」


 ダメージはなかった、あの近距離であの爆発なのに……。


「これ、やっぱりすげえな!」


 胸には対魔法の防具を着ていた。


「いや~、ゼノンいう通りこれ少し重いけどいいな!」


 リックはコロナに向き直る。

 

「今のは一本取られたな~」


 コロナは魔法を火球を放つ。

 リックは来る火の玉をことごとく切り伏せる。

 コロナの生成速度も素晴らしいが、リックに全くと言っていいほど効いていない。

 やがて、コロナの魔力が底をつく。


「満足した?」


 圧倒的な実力差、今のコロナの魔法では歯が立たないことを見せつけられた。


「参りました」


 コロナは圧倒的な差に悔しそうな顔でそう言った。

 そして決勝戦は六刀生の首席と次席が優勝となった。

  

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