実力者

「まだまだ~!」


 咆哮を挙げながらなおも剣を振り続けるゼノン。


「まだ上がるか……よし!」


 声をあげながら攻撃を続けるゼノンにリックは余裕そうに言い放つ。

 そしてしばらくして剣戟がやむと、ゼノンが膝をつく。

 全身に汗をかき、息も乱れているのに対してリックは汗をかいているものの息は全く乱れていなかった。


「流石にもう少しで息があれるとこだった」

「はぁ…はぁ……ぬかせ……」

「まだやるかい?」

「いや、やめておく」

「そっかそれじゃあ……」


 蚊帳の外の二人を見据える。


「お待たせ、えっと……どうする?」


 先程の剣戟を見て萎縮したのではないかと心配そうに見つめるリック。


「その状態で戦えるの?」

 

 アリエは剣を見つめる。

 精霊武器はその人の魔力と内部に契約した精霊をもとに生成される。

 個人差はあれど、魔力の消費によって武器の持続時間があるので、アリエは彼の武器を見つめそう言った。


「まだ持続時間はある、君たちはそれを凌ぎ切れば君たちは勝てる可能性があるかもよ?」

「そう……なら!」


 アリエは両手に剣を生成する。 


「おっと、錬成武器か……これは珍しいな」


 アリエの攻撃を受け止めながら、リックはいうとアリエは連撃してくる。

 リックは難なく受け流していく。

 

「この程度かい?」

「なめんな! ≪≪高速連撃≫≫!」


 アリエの打つ斬撃のスピードが上がっていく。

 リックはそれを受け流していく。


「お~、速い速い!」

「クソッ!」


 少しして、アリエは膝をついた。


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