好意

「誰が好き…ですか……?」

「あぁ、一応聞いておきたくてな……」


っと言う事は遂に告白する気なのだろうか?


「質問、良いですか?」

「なんだ?」

「オットーはコロナですよね?」

「当たり前だ、コロナ一筋の人生だぞ!」

「やっぱり……」


 こういう場面でははっきり言えるのに、どうして本人に告白してないのか……。


「やっぱりって事はお前も……」

「勘違いしないでください、彼女は確かに魅力的です……だけど、それだけです」

「それだけって……」

「僕には好きな人がいます……それは誰かは言えませんが、少なくともコロナではない……だから安心して告白してきてください」


 オットーは僕の目を真剣に見ると、安堵の表情を浮かべる。


「バレてたか……よし!」


 よくあれでバレないって思ったな……。

 オットー決意を込めた顔で立ち上がる。


「行ってらっしゃい、玉砕したら帰ってこないでください」

「手厳しいな……そこは慰めるとかだろ?」


 僕の言葉に苦笑いを浮かべるオットー。

 だけど、大丈夫だ……。

 絶対に振られる事はないだろう……。

 それに……。

 目の前のドアを見る。

 先程まで閉まっていたドアが少し空いている。


「頑張ってきてください」

「あぁ!」

 

 コロナを呼びに出ようとするオットーに気がついたのか、誰かが走り去っていく……。


「もしかして、聞かれてた?」

「さぁ、どうでしょう?」


 この場合、呼びに来るとすればミリスかコロナのニ択の可能性が高い。


「とりあえず、呼びに行ってみては?」

「………れ……」

「え?」

「頼む! 一緒に来てくれ!」

「えぇ〜」

「たのむよ!」

「自分だけで行ってくださいよ、なんで僕……が……」










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