実力差

「実際オットーとアリエはどっちが強いの?」

「格闘戦ならアリエで自由戦なら僕って感じかな」

「お兄ちゃんの戦い方ズルいんだもん」

「ズルいって……魔法は戦い方の一つだろ?」

「そうだけど……私、お兄ちゃんより器用じゃ無いから……」


 それでもあれだけの実力が有れば、魔法なんてなくてもその辺の奴らには負ける事はないだろうが……。


「私だって魔法科に行きたかった……だけど……」


 魔法科の試験では魔法による試験、ましてや一般入学となるとハードルはさらに跳ね上がる。

 オットーとコロナは受かったが、アリエは落ちてしまったのだろう。


「アリエは剣技においては僕達の中で一番上だ、だからそこで頂を目指すと良いよ……アリエなら剣聖にだって手が届くかもしれないんだから……」


 オットーはアリエの頭を撫でる。


「……子供扱いしないで……」


 照れながら言うアリエをオットーは優しく撫でる。


「それじゃあ、そろそろお開きとするか……」

「え〜、もう〜!?」

「明日の試合もあるんだ、皆休まないと……」

「良いじゃんもう少し〜!」


 子供が駄々をこねるようにジタバタするエレナ。

 暴れる彼女の足から下着が……。

 あれ、視界が真っ暗になった。

 誰かの手で目が覆われていた。

 この感じは、ミリスか……。

 こんなことをするのはミリスかセシアくらいだ。

 まぁ、セシアなら眼球潰れそうになるけど……。


「はしたないぞ、エレナ!」

「ヤダヤダ! もっと楽しむの〜!」


 ルミリナの言葉に反論するエレナ。

 ルミリナと同い年のはずなのに言葉からはまるで親子の会話だ。


「ごめんなさい、先に帰っててください」


 ミナがそういうと、僕達は宿屋に帰るのだった。

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