アリエ・スーウェン
アリエは話してみるといい子だ。
はじめは恥ずかしがっていたが、話してみると気立てがよくよく笑う子だった。
コロナにきつい理由がなんとなくわかってきた……それは、彼女がお兄ちゃん大好きっこだということだ……。
話を聞いていると、すぐに「お兄ちゃん」 という言葉が出てくる。
オットーの話をするときのアリエは特に楽しそうで、この学院に入ると決めた時もオットーが受けると知ったからなのだとか……。
そう考えると、アリエはコロナにお兄ちゃんを取られないように遠ざけているように見える。
「それにしても、オットーにこんな可愛い妹がいたなんてね~」
「か、可愛い……そんな、私なんて……」
顔を真っ赤にしながら言うアリエにキラっと目が光り、とびかかろうとするレアをミリスが止める。
「それにしても、これがあの一刀生首席とはね~別人すぎるわ」
「あ、えっと……私、戦いになると闘志が漲ってああなっちゃうの……」
そんな次元を超えている気がする。
セシアの言う通り、彼女の今と格闘戦の時は完全に別人といった感じだった。
「それにしても、ミリスさんとサウルさん? 試合凄かったですね」
「ミリスでいいわ、ありがとう……アリエも試合、すごかったわよ……一刀生にして優勝するなんて……」
「私は、その……お兄ちゃん達がいなかったから勝てただけで……」
≪≪達≫≫っというのはクロノとテイルのことだろう……。
クロノには新人戦で自由戦という事と、初手が聞いたこともあり、倒すことが出来たが、次やれば勝てないかもしれない。
あの試合だけでも実力差は見て通れる。
クロノは格闘戦はオットー並みだ。
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