144話

「勝者、ミナ」


 凄まじい戦いという他ない。

 第二門の攻撃は凄まじく、攻撃というよりスピードが尋常じゃなかった。

 エレナもよく凌いでいたと思う。

 だけど第二門のスピードが上回り、彼女は近づけず地面に伏した。

 目の前で倒れているエレナに肩を貸すミナ。

 

 その光景に拍手が送られる。

 凄まじい戦いだった。


「これが、六法生の本気……」

「凄まじすぎる……!」


 周りから歓声ではなく、絶句しながら拍手していた感じだ。

 攻防の余韻が未だに頭から皆は馴れきっていないのだろう。


「では、三十分後に剣術戦を始めるので準備お願いしま~す」


 そうして他の皆は会場を離れていく。


「私達もご飯いこっか」


 そう言われると、急激にお腹がすく。

 そう言えばもう昼過ぎている。

 戦いやいろんなことがあり過ぎて忘れていたようだ。

 

「どこ行く?」

「はい! 私お肉が食べたい!」


 ミリスの言葉に手を挙げ、コロナは発言する。


「コロナ、お肉好きだよね」

「どこに栄養が……」


 そう言いかけてセシアの視線はコロナの胸にいく。

 そうか、お肉なのね!


「私もお肉食べる!」

「え~、私最近太っちゃって節制したいんだけど~」


 セシアも賛成したが、レアが反論する。


「そんなに太ってないじゃない」

「スレンダーなセッシ~にはわからないよ!」

「スレンダー……」


 レアの言葉に自分の胸を見ると、笑うセシア。


「せ、セッシ~?」

「そんなに痩せたいなら今から訓練しましょ? 四人は先にご飯食べてて」

「ひっ!?」


 その言葉にレアの顔が引き攣る。


「ま、まぁまぁ、先にご飯にしましょう。 ね?」


 レアはコクコクと頷く。


「はぁ~、じゃあ行きましょ」


 レアはほっとした顔で僕らと歩き出した。 

 

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