128話 セシアVSウェルサ


 僕の試合は勝利となり、次々と試合は進んでいく。


「はい、次……学院のマックハート家兄妹の対決」


 そして次はセシアとウェルサの対決となった。

 二人は会場の真ん中で構える。

 

「はーい、では始め~」

 

 そう言うと、お互いに動かない。


「何だ、来ないのか?」

「ふん、ちょっと強くなったからっていい気になってるわけ?」


 その言葉にウェルサはイラついたのか、炎球を放ってくる。

 セシアも同じ魔法で対抗する。

 お互いの魔法がぶつかり、爆発する。

 お互い一歩も動かない。


「ふん、少しはやるようだな」

「なんで上から目線なのよ……」

「そりゃ……」


 セシアを中心に紅い光の円ができる。


「俺の方が上だからな!」


 その言葉と同時に先程の試合で放った炎渦えんかがセシアを襲う。


「うん、つまらん……」


 踵を返し、出ていこうとする。


「この程度?」


 炎渦の中から声が聞こえ、ウェルサは振り返る。

 魔法が消えた場所でセシアは無傷で立っていた。


「不意打ちだなんて、貴方らしいやり方よね……しょうもない、そんな攻撃、私には効かないわ」


 腕を組みながらウェルサを馬鹿にしたように見ると、ウェルサは再び魔法を展開する。



 魔法がセシアを襲うが、球体の防壁に当たり消える。

 

「ちっ……その魔法、膜壁か……」


 ウェルサは魔法の正体を呟く。

 膜壁……初級魔法の魔壁の上の上、全身に魔力を覆い、強度は魔壁に匹敵する強度をほこる上位魔法だ。


「ふん、勉強だけはしているようね」


 簡単に勝てる相手だと思っていたのに、勝てなかったのかウェルサは少しイラついた顔をする。


「もう終わりかしら?」

「調子に乗るなよ……」

「じゃあ、次は私の番ね……」

 















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