126話 本戦

 流石本戦といった感じだろうか、今までの戦いとは明らかにレベルが違う戦いだった。

 魔法においても中級魔法が無詠唱で飛び交っている。

 これは……エッグいなぁ〜。

 魔力が多いプラス、貯魔と呼ばれる自身の魔力の貯める魔法具などを駆使して戦っている。


 貯魔は授業で習うことが出来る。

 この魔法戦において魔力というのは必要不可欠なものだ。

 なので、貯魔は授業が各学年のAクラス……もしくは大会に出るであろう人間を優先に受けることが出来る。


 一法生の僕達は入学間もない為、使うことが出来ない。

 貯魔という魔法は前期と後期で一年を通して学ぶ為、両方を合格してやっと使うことが許される……いわば資格の一種だ。

 

 この試合において一法生は最も不利だろう。


「次の試合でしょ?」

「うん、行ってくる」


 試合は進み、僕の番になり控室へ向かう。

 相手は四法生だ、セシアが戦った相手よりも数段上の可能性が高い。

 緊張していると、ノック音がする。


「師匠!?」


 目の前には師匠であるミナがいた。


「緊張してます?」

「えぇ、まぁ本戦なんて初めてですし、それはまぁ……」

「ちょっと来なさい……」

 

 こちらへ手招きしてくる。

 ミナの元へ向かう。


「なんですか?」

 

 ミナは僕をぎゅっと抱きしめる。

 

「大丈夫、貴方は私の弟子です……何も心配する事はありません、自信持ってください」


 心が落ち着く……ミナも体験してきたからなのか、実感のこもった声に僕はどこか説得力があった。

 少しして、ミナは離れて僕を見る。


「元気出た?」

「似合いませんよ師匠……」

「うるさいですよ」


 そう言って額に拳をコツンっとする。


「昔、師匠……貴方のお母さんも同じ事して私は落ち着いたので……」


 ミナは顔を真っ赤にしてそういう。

 彼女のやり方は師匠、ミリー譲りなのだ。


「一つ、いいですか?」

「なんでしょうか?」















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