101話

 ルナの孤児院を探すため、手当たり次第に孤児院を回り、三つ目の孤児院でルナが「ここ」と言ったのでノックする。

 しばらくして40代くらいの男性が出てくる。


「夜遅くにすみません、ルナって子がここにいましたか?」

「あぁ、それが何か?」


 男はルナの方へ目を向ける。


「お前、何してた!」


 ルナを叩こうとするが、オリアナに腕を掴まれ止められる。


「まぁまぁ、この子にも事情があったのでしょう……」


 笑顔で言うオリアナの腕を振り切り、


「関係ないやつはすっこんでろ! こいつはこうしなきゃわからねぇんだよ!」


 もう一度暴力を振るおうとする孤児院長。

 だが、オリアナがもう一度腕を掴み、男を見ている。

 流石、王国騎士団員というべきだろうか、その人睨みで男は目が合うと青ざめた。

 訓練を受けている僕でさえ、動くことの出来ない圧だ……一般人である彼が耐えられる訳もなく、その場で気絶してしまった。


「今日は一旦戻りましょう、この子は今晩こちらで預かることとします」


 そう言ってオリアナは孤児院に入っていく。

 しばらくして男を孤児院に戻して複数の子供を連れてくる。

 恐らく孤児院の子供を保護するため、一度あそこから出したのだろう。


「さて、行きましょうか……」

 

 深くため息を吐きながら、子供達と共に宿へ戻る。

 戻る途中、一部の子供は怯えたように歩いていた。

 それと……。


「全く、訓練が足らない証拠よ!」


 オリアナの圧でコロナは気絶していたのだ。


「よいしょっと……」


 ミリスがコロナをおんぶして歩くのだった。










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