100話 問い
「聞きたいことって?」
「貴方、見捨てられたのよ?」
「ちょっとセシア!」
今のは流石に率直すぎだ!
セシアは偶に容赦なく言葉を発する事がある。
大抵はその人の事を思ってのことだが、会ったばかりの子……しかも小さい子に向かって言うなんて流石にここは止めないといけなかった。
「何よ、本当のこと言っただけじゃない」
ルナは予想通りというべきか、泣きそうなのを堪えながら俯いてしまっている。
「セシア、言い過ぎよ……」
流石のミリスもこれにはセシアに言う。
「言い過ぎも何も、捨てられたのよ? そんな奴に貴方達なら会いたいかしら?」
「セシア!」
いつも怒らないミリスが大声をあげ、セシアを睨んでいる。
セシアはフンっと言いながらルナに続ける。
「それでも、貴方は会いたいの?」
ルナは涙を堪えながら振り絞った声で、
「た…った……一人…の家族……だから……!」
「そう……」
ルナがそう言う。
しばらく彼女と見つめ合うと、セシアの顔が優しくなる。
「貴方にその覚悟があるのなら、私は協力するわ……ごめんなさい、厳しい言葉を言ってしまって……」
セシアはルナを抱きしめる。
「お姉ちゃん……大丈夫……」
ルナから離れ、セシアは立ち上がる。
「じゃあ、とりあえずその孤児院に許可取らないとね」
そういうと、ルナは再び曇ったような気がした
「どうしたの?」
「……ううん、何でもない……」
「……そう? それじゃあ行きましょうか」
「うん!」
ルナはそう言ってセシアの手を握る。
「それじゃあ、行きましょうか」
そう言って宿にいるオリアナに事情を話す。
「そう言うことでしたら、私も同行します」
「ありがとうございます」
そう言ってオリアナは僕達と共にルナの住む孤児院に向かった。
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