91話 文化

「こうして見るとこっちは向こうと全然違うね」

「そうだね〜」

「そうなの?」


 セシアと話していると不思議そうに聞いてくる。


「うん、クレアちゃんは結構色んな国行ってるんじゃないの?」

「うーん、どこも似たような感じだったよ……アガレス皇国なんて、色んな文化を取り入れてる国もあるし」


 アガレス皇国は北に位置する国だ。

 確かその国の近くにはファリオスの森があったはず。


 それとなくクレアに聞いてみるか。


 そうして歩いていくと、それとなく聞いてみた。


「ねぇ、セシアから聞いたんだけど、君のお父さんから言われたファリオスの森に近づくなってどういう事?」

「あぁ、私にも二人のやってる事は教えてもらえないんだ〜」


 首を横に振り、クレアは言う。

 本当にそう言ってるのかはわからないが、これ以上追及する必要もないので話題を変える。


「そうなんだ、クレアって色んな国に行ったことあるんだよね?」

「そうだよ〜、沢山の国に行ってるの」

「じゃあ、一番印象に残った国って何処?」

「うーんと国じゃあないんだけど、この大陸の真ん中に位置する迷宮国ラビリスタかな」


 迷宮国ラビリスタは本来国ではないが、迷宮が数多くあり観光名所として有名だ。


「あそこか……」

「うん、あそこの主人にはお世話になってたから……」


 過去形という事はその人はもう……。


「そこは何があるの?」

「なになに、なんの話?」


 レア達が話に入ってくる。


「いえ、クレアが訪れた国について聞いてまして……迷宮国ラビリスタについて聞いていたんです」

「迷宮国ラビリスタね〜」

「知ってるんですか?」

「うん、だって私そこ出身だもん」

「そうなんですね」

「貴方、ルゥって言ったわよね?」

「うん、ルゥ家……一応ラビリスタの商業を管理してるルゥ家よ」

「迷宮の管理者って誰か知ってる?」

「あぁ、うん……一応次期党首だから、名前くらいは知ってる……確か、トーラって名前だったと思う」

「ふーん……」

「どしたの?」

「いや、何でもない……それより〜、私これ食べたい!」












 

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