19話 魔法の授業開始
僕達は部屋に向かうと早速、ミリー先生による魔法講義が始まった。
「じゃあ、取り敢えずそこに座ろっか……」
部屋にはいすや机が無いため、ベッドとベッドの間が広いので腰掛ける。
そう言われベッドに座ると、ミリーは鞄から三冊のノートを渡してくる。
「はい、これ」
僕の名前とリラとルラの名前がそれぞれ書かれた本を渡された。
「ありがとうございます」
それぞれ名前の書かれた本を受け取る。
本を開いてみると、すべてミリーが書いたもののようで、手書きで書かれていた。
「ペンを持って最初の方を開いてみて」
そう言うと僕達はペンを持ち、本を開く。
第一問 魔法はどうやって発動する?
最初のページに書かれていた。
下の方には、自分で書くページのメモの部分があった。
「メモしていきながら講義を始めるわね。 早かったら待つから行ってね。 じゃあまず最初のページに書いてあることについて、皆はどうかな?」
「う~ん、わからない……」
リラがそう言うとルラが手をあげる。
「はい、ルラちゃん」
「この答えは二通りあります。 この世界に充満しているマナと呼ばれる魔力を通して発動する魔法と、体内にある魔力を通して発動する方法の二通りの使い方だったと思います」
ルラが回答するとミリーはルラを指さし、
「大正解! ルラちゃん、模範的回答ありがとう」
「流石ルラだな!」
僕がそう言うと、ルラは不思議そうな顔をして僕を見る。
「サウルも知ってたよね?」
何故知っていると思ったのだろうか。
知っているなんて言った覚えはないし、確かにルラとは魔法の話をしたが、基礎について話した覚えはない。
小さい頃に勉強しているが、それはルラは知らないはずだ……。
「うんうん、初めて知った。 ルラはよく知ってるなぁ~」
僕はルラに言うとルラは不思議そうに僕を見ている。
「はいはい。では続きいくわね。」
そう言うと講義は続いたが全てルラが答えてしまった。
「凄いわねルラちゃん、勉強してたの?」
「まぁ、本で読んでたので……」
ルラはこの世界の三大魔法から、そこから分かれる魔法にも全て答え、それぞれの特性から相性まですべて答えてしまった。
この世界の魔法は主に三種類に分かれる。
自然魔法・錬成魔法・治癒魔法の三つに分類される
自然魔法とは主に火・水・雷・風・聖・陰魔法の六構成で出来ており、
錬成魔法は錬成・投影・身体強化の三構成で、
治癒魔法は回復・活性の二つに分かれる。
「じゃあ次は魔力についてね。二人とも立ち上がって」
言われた通りに立ち上がるとミリーはリラとルラの手を握り、
「二人とも、サウルの手を握って」
「ふぇ!?」
「何よルラ、ほらサウル」
動揺しているルラを他所にリラは手を握る。
「ルラも早く」
「う、うん……」
ルラは僕の手を握る。
「じゃあ皆、目を瞑って?」
そう言われ僕は目を瞑る。
「魔力を流すから集中して感じ取るのよ」
体から何かが流れてくる。
これが、魔力……。
体中に魔力のようなものが巡る。
「これが魔力よ……」
暫らくして魔力が巡らなくなる。
「これを数回繰り返してしっかり覚えると良いわ」
体には魔力が通った後が微かに残っている。
繰り返しやることでそれを染み込ませ魔力をコントロールするのだろう。
「今日はこれを繰り返しやって終わりとするわ」
「これだけ?」
「直に分かるわ……」
そうウィンクすると僕達は先程やったことを繰り返す。
そうして部屋に戻り、僕達は眠りに着くのだった。
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