第24話 建国祭 計画   ルディウス視点

建国祭は家族で祝うものだ。

建国と、繁栄、そして平和を皆で祝う。

昔は粛々と祝われていたというこの記念日も、最近では町をあげてお祭り騒ぎになる。

普段は落ち着いた佇まいの店も、露店を開いたりして街は活気づく。

若者たちは昼間街で遊び、夜はゆったりと家族と過ごす。それが若者の建国祭のスタンダードだ。


今年は、今年こそはエルミナと過ごしたい。


学院で建国祭を祝うために与えられた休日は毎年決まって3日間。

とてもではないがエルミナの療養先にまで足を伸ばすことはできなかった。


だが今年は違う。

俺にはエルミナが入学してきた時点から考えていたプランがあった。




休日1日目。

この日はお互い帰省し、なんだかんだ忙しいはずだ。時間もあまりとれないだろう。

この日は捨てる。



休日2日目。建国祭当日。

クライン侯爵家に挨拶に行く。

建国祭の時期は王都の屋敷で過ごしている貴族がほとんどだ。挨拶し合う貴族は多い。失礼には当たらないだろう。


そこで実家にいるエルミナをデートに誘う。

初めての街デートだ。

建国祭だからと当日に街へ誘ってもおかしくない。

街も人で溢れているだろうし、気まずくもならないはずだ。

そこで何かエルミナに贈りたい。



休日3日目。

エルミナと一緒に学院へ戻る。

少し街でお茶でもして、二人でのんびり戻れたらいい。すごくいい。




そうして待ちに待った2日目。

建国祭当日。

クライン侯爵家に挨拶をしに訪れると――そこにエルミナはいなかった。

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