(三)-4

 死ぬときの走馬燈と同じなのかもしれない。急に頭の中で未来のシミュレーションが始まった。このとき私には子育てをしている未来が一瞬見えた気がした。

 共働きで自分もバリバリ働きたいと思っていた。大学に行ったのも、そもそも就職のためだった。だから、子どもは少なくとも就職後三年は作らないつもりでいた。彼にそのことを話したわけではないけれど、自分の中ではそう決めていた。

 でも、このままだと、もしかすると、想像しているのとは違う未来が訪れるかもしれない。


(続く)

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