(二)-6

 それだけならまだしも、寺庄は女性比率が半分に達する職場で男尊女卑の考えを堂々と披瀝ひれきして顰蹙ひんしゅくを積極的に買い集めていた。

 そんな悪い評判を自然に引き寄せてしまう、マネージャーとしても気が利かないこの上司に、私は産休をとることを申し出たのだ。

 上司はまるで、もちろん、当たり前だが、当然のごとく、普通に、異論は認めない、と言わんばかりに、その申し出を却下した。「働くのであれば、男と同じように働け!」というのが彼の持論であった。


(続く)

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