For you あなたのために〜花びらの占い〜
ドーナツパンダ
第一話「この花はあなたが大好きな…」
『彼女は花びらと魔法を利用して、過去と未来の時間の流れを占いします。
主に、長年眠っているけど、深く愛してる彼を救うためです』
これらの言葉はただの言い伝えだ。
だけど、花びらの占い師のミラにとってすごく大切な時間だ。
そして、何より事実だ。
花びらの占い師でもあるミラの長い髪はサラサラして、キラキラしてる金色だ。
そして、透き通った水色の瞳を持っている。
何より彼女のシンボルとなるのは、この白くて長いベールとピンク色の大きな花だ。ある魔法で花は枯れない。
いや、花は枯れてはいけないのだ。
そして、ピンク色の真珠を巻いて占いする事がとても魅力的だ。
「ミラ様。お客様です」
「分かった」
「この花はあなたが大好きな…」
まだミラには忘れられなかった。
長年眠ってる彼を救うために、花びらと魔法を利用して、自分の能力を犠牲にする。
『ミラの髪に飾る大きなピンク色の花がとてもきれいだ。まるで君の魔法が花咲くように』
『僕は信じてるよ。ミラなら、きっと自分の魔法で、人々に新しい道を導き出してくれるって』
『だから、これからもミラを見守るから』
『君なら、きっと自分の魔法で幸せにしていけるよ。そう信じてる』
ミラは優しい彼にずっと恋してた。二人にとって幸せな日々だった。
だけど、彼と婚約してから、逆に何かが原因で深い眠りについた。
あれからどれくらい泣いたんだろう。
彼の名前をどんなに呼んでも、ピクとも反応しない。
ただ眠ってるだけ。深く。
それが一番嫌だった。苦しかった。
心が痛くて、張り裂けそうになるくらい泣いてきた。
今でも、その優しい声が聞こえてくる気がする。
彼は深く眠ってるはずなのに。
「コウ…目を覚まして?お願いだから」
泣きたい。辛い。心が痛い。疲れた。
もう無理だ。だけど、その体に触れれば、彼の温もりはまだ残っている。
だめだ。コウを見捨てたらだめだ。
あんなに私の事を愛してくれる人はもういないから。
なのに、なんでこんな事になるの?
分からないよ。教えて、コウ。
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