第46話
リザードマン軍団襲撃の真相を知った俺は続いて ミロットのアトリエにアポ電強盗(電話ないけど)をしてきた クソマントの様子を伺う。
現実逃避ですな。
「……貴様は一体何が目的なんだ!?」
ミロットのやつが黒マントと話をしていた。
そいつは顔は相変わらず隠し、口元だけが見えている状態だった。
その口元にかすかに微笑を浮かべながら口を開く。
「私の目的は、君が手に持っているそのランプ、その中に隠れているはずのとある存在だ」
声が男か女か分からん、ここは魔法なんてのがある世界だし多分ファンタジーな何かで声を変えているんだと思われた。
そんでどうやらこの黒マントはプライムについて知ってるようである。現在そのプライムはというと、ランプの中に隠れていてそのランプをミロットが持っている状態だ。渡す気はゼロのミロットはしっかりランプを握っていた。
良いぞミロット、その変なスライムは俺達を大冒険へと導くお宝だ。誰にも渡さん。
ソイツは俺達のお宝…俺達のドラゴンレー○ーだ。
「悪いがランプに隠れてると言われてもそんな存在には心当たりがないな、このランプは私が冒険した際に得た戦利品が一つでお前が求めるようなものは ないぞ、さっさと出て行ってくれ」
「悪いがわたしは特殊な存在の気配を見破るのは得意なんだ、そのランプの中には必ず何かが潜んでいる。知らないというのであればそれを売ってくれないか? それなりの大金を用意できる自信はあるぞ」
この黒マントはパッと見はそんな金とか持ってなさそうだけどな。
「大金だと、こんな古いランプにそんな価値があるというのかその存在とやがそれ程凄いのか?」
「もちろんあるさ、最もそれを説明する気はないがね」
多分さっきからミロットは時間稼ぎをしている、それを黒マントも察したらしい。
黒マントが何やらゴソゴソしている、見ると腰にブラ下げていたショートソードを鞘から抜いてミロットにその刃を向けてきた。
「こちらとしては穏便に済ませたいがどうやら金で譲る気はない様子……悪いが少々急いでいてね、このフレッゾを外のリザードマンたちに襲われたらことだろう? さっさと話をつけたいのだが」
俺は結論をつけた、この黒マントやっぱ強盗するだけあってろくでもないやつだわアポ電強盗をするゴミムシ共同様にな。こんなやつなら問題ない。
俺は俺自身とゴーレムの近くに新たなゴーレムをクリエイトすることができる。
アトリエに置いていた白いバイアスゴーレムの近くに小さめのスネークゴーレムをクリエイトした。
このスネークゴーレム元になったのはディグダスネークという魔法で地面に自分が通る用の穴を開けることができる蛇型のモンスターだ、つまりこのスネークゴーレムには地面にいきなり穴を出現させる能力がある。
このスネークゴーレムとバイラスゴーレムのコンビネーションでこのクソマント強盗をぶっ潰してやる。チビクロは下手するとミロットまで巻き込む可能性があるので待機だ。
俺の作戦も知らずにクソマントはミロットと話を続ける。
「さあっそのランプを無傷で渡すかそれとも痛い目にあって渡すか選ぶがいい」
「……こいつは何があっても渡さん、何しろ私にも こいつの道案内が必要なんでね!」
ミロットが片手を突き出す、すると魔法陣がバンッと出現して水の塊がクソマントに放たれた。
それをクソマントが驚きながらも躱す。
「ほうっあのタイミングで躱すとはな」
「ッ! ……まさか貴様 !」
「ふ~~全く困ったものだよ、この僕が出るしかないようだね」
ランプの蓋が開きプライムのやつが顔をのぞかせたこいつら……俺が動いてるのを理解したからちょっと余裕が出てきてバカやりだしてんじゃねえのか?
プライムの姿を見たクソマントが吠える。
「やはりあの伝説は本当だったの……んっスライム? まさかあの伝説の存在がスライムなんかなのか? そんな馬鹿な話が…」
「スライムを馬鹿にするなんて許せないね、僕は正真正銘このランプに封じられ、そして君が追う伝説に出て来る存在だよ」
「ではやはり、この広大な世界を渡り歩き、最果てにすら至ったと言われし賢者。その賢者が世界の秘境、魔境までの導きの記憶を封印したと言われる伝説の『道標の秘宝』……お前がそうなのか?」
「………まさかそんな無駄に壮大な名前で覚えられてる事にビックリだよ。今の僕の名前はプライムだ、それ以上でもそれ以下でもないよ?」
「どちらでも構わん……一緒に来てもらうぞ!」
クソマントが一気にミロットとの距離を縮めようと構えた、その瞬間を狙ってスネークゴーレムがクソマントの足元に人がすっぽり入れそうな大きな穴を出現させる。
地面が消失したのでヤツは踏ん張った体勢で落とし穴に落ちる。「なんだこれは」と言いながら一気にバランスを崩した姿は実に滑稽であった。
スキだらけだよ、バイラスゴーレム、お前も行け!
俺の指示に従い白いバイラスゴーレムがクソマントにタコ足を伸ばす、まずはショートソードを持つ方の腕を捕まえ。そして残ったタコ足でクソマントの体を連続で殴打するタコ足ラッシュだ。
「ぐぅうっ!? あれは……趣味の悪い石像ではなかったのか!」
タコ殴りにされながら失礼なヤツである。もうサンドバッグ確定なお前。
ボコボコにされたクソマントはぶっ飛ばされアトリエの壁に叩きつけられた。
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