第三章 壮大な冒険の予感
第22話
憎きサルタコをゴーレムパワーで打ちのめした、過去にビビりまくっていたモンスターをぶち倒した俺は内心とてもテンションが高まっている。
「まさか本当にバイラスを倒してしまうなんてな、お前は本当に何者なんだ?」
「見てのとおりのチビエルフだよ、ちょっとばかしゴーレム魔法が得意なだけのな」
「……1つ質問なんだが、そっちの喋り方が素なのか?」
素? 何を言って……ああっそういうことか。
「まあな~下手に出るような丁寧語はある種、俺の故郷で必要だったスキルみたいなもんだ。ついつい人と話すときは出て来てな~」
俺が前世で住んでいた国では見知らぬおっさんにもわけのわからん若者にもとりあえず敬語で接するのが割と普通だったからな。
しかしもうここはその国ではない、正直な話よ敬語で話すのって疲れるんだよ。
もういちいち話し方を変えるのをやめるか!
「そんなわけでもう猫をかぶってしゃべるのはやめる。分かったかミロット、それと俺のが多分年上だから敬え、年功序列な」
俺はバカな事を言った。年功序列がとにかく悪いとは言わないが。俺と同じことをオッサンが抜かしてきたら首を絞めたくなるだろうな。
「どういうわけかわからないがまあ好きにしろ、私も相手によって態度を変えるのは苦手なんでな。いつも通り話させてもらう」
無視された、ショボン。
「どうぞご自由に」
「ところで バイラスなんだが…」
「あーぬりかべゴーレムの下敷きになってるから多分、見ない方がいいぞ? 絶対にぺしゃんこだ」
「……だろうな、すこし勿体ない気もするが仕方ないか」
勿体ない? なにがだよ。
まあいいか、さてっそれじゃ戦いは終わったということで、俺は生み出していたスネークゴーレムやリザードマンゴーレムを土に還していく。
ぬりかべゴーレムを土に還す時は砂にしてバイラスの死骸の墓標にしてやった。俺って優しいさに溢れたチビエルフだよなぁあ~~。
そこでふと気づいた、俺が湖の水で作った超巨大スネークゴーレムが空っぽになった湖の方を凝視している事に。
ゴーレムってやつは基本的に意味のないことをしないそのアクションには言葉こそないが何かしら意味があることが多いのだ。
「湖の方に何かあるのか?」
「何、どういうことだラディア」
「いや何となく俺のゴーレムが湖の方に興味があるみたいなんだ」
「そうか、なら行ってみるか?」
「ああっ行くか」
俺は超巨大スネークゴーレム以外のゴーレムを土に還しつつ湖の方へとトコトコと歩き出した 。
ミロットもついてきた。興味津々か。
◇◇◇◇◇◇
湖と到着する。そこには当然ながら水が全くなくなっていてあるのは地面にあるのは巨大な大穴くらいである、あの大きなバイラスが潜っていただけに結構な広さと深さのある湖だったようだ。
下の方を覗き込むがどこに変わったものなんてないと思……んっあれは何だ?
下の方を見て、そこから湖の中心の方を見てみると地面が少し出っ張ってる部分がある。
そこにはなにやら人工物と思われる建物が。
「ミロットとあれって何だと思う?」
それは小規模な神殿を思わせる石造りの建物だった、 ただ結構な距離があるので詳細は分からないがな。
俺と同じものを見つけたミロットも目を見開いて驚いている。
「なんだあれは湖の底にあんなものがあるなんて聞いたことがないぞ……いやっそもそもバイラスなんて危険なモンスターがこの湖に住み着いた理由自体は不明とされていた……まさかあれを守るために何者かが召喚したとでも言うのか?」
ミロットが自分の世界に入り込んでしまっている、 仕方がないので今後どうするか考えるか。
まあそんなの決まってるよな。
こっちはお前、異世界に来たら冒険者になるタイプのチビエルフ様だぞ?
そして目の前には謎の建築物である。これはもう行くしかないだろ。
チビエルフ冒険隊、出発だな。
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