第20話
湖の草むらに立ち入り自生するという薬草探しを始める。
もっとも俺はその薬草がどんな感じで、葉っぱがどんな形をしてるだとかそんな細かい情報は特にないのでミロットの後をついていき彼女がモンスターに襲われそうになったら助けるというのが仕事だ。
だが彼女の魔法は姿だけでなく気配なども隠しモンスターから襲われる危険性を限りなく低くする魔法らしい。
そんなのあるなら俺いらないんじゃね? っと言う思いを心に抱えながらもゴーレムと共にミロットのあとついていく俺だ。
「おっこれもまた珍しい薬草だな目的のものじゃないがついでに採取しておくか」
「変に欲を出すとモンスターに襲われる危険性が上がったりしませんか?」
「問題ない、私の魔法は完璧だ」
その自信はなんなんだよ、だったらお前1人で来いよっと思わなくもない。
ただまぁこんな簡単な護衛仕事で50万だからなそう考えるとなんとなく得した気分である。
おっとこんなことを考えているとフラグになりかねないな、俺は自分が出した余計なフラグをなかったことです。
フラグよ折れよ~~えいえ~~いっ!
阿呆な事を妄想しながらも上空からのコンドルゴーレムと視界を共有し近くのモンスターとの距離を確認することでモンスターとのエンカウントを避ける。
ミロットの魔法と俺のゴーレムでの上空からの監視、ここまで準備をすればほとんどモンスターと出会うこともないだろう。
現に薬草採取を開始してからしばらく経つが肉眼では一度もモンスターの姿すら確認していない。このまま問題なく採取を終えられれば俺は小金持ちである。
そしてミロットは欲しい薬草を大量にゲットできる、まさにウィンウィンの関係だな!
……そんなことを考えたのが良くなかったのかもしれない。
珍しい薬草を大量に採取して気が大きくなったのかミロットのバカは湖の近くまでトコトコと歩いて行きやがった、俺もその後をのほほんとついてきてしまった……失敗である。
気がついた時には目の前に湖があった。
しかし今のところバイラスが操るタコ足の姿は見えない、どうやらミロットの魔法は強力なモンスターの目を持ってして見破れないほど高度なものらしい。
あるいは所詮モンスターと言っても猿は猿といったところなのだろうか。
ザザーーンという音がした。
湖から何かが出てきた音だ、音のした方を見ていると赤いタコ足 数本ほど湖の湖面から現れていた。バレたのか!?
「落ち着けラディア。まだ私の魔法は完全に見破られたわけではない」
「じゃああのタコ足は…」
「よく見ろ、タコ足の近くに人影がいるぞ」
ミロットの言葉に従いタコ足が現れている湖の近くを凝視する。
…… 確かに誰かいた。全身をフード付きの黒いマウントで覆っている怪しい過ぎる人物だ。
性別は不明、その人物と何か話でもするかのように現れたタコ足はくねくねしていた。
「ちっここも外れだったか……」
謎の人物がタコ足から離れる、何か話でもしていたのか?
この距離からだとさすがにわからない、足元にゴーレムとか出現させれば良かった。
するとタコ足は動いた。素早く謎の人物を捉えようする。
謎の人物が何をしたのかは分からなかった。
しかしそいつを襲おうとしたタコ足が目に見えない何かに切り裂かれる。
そして謎の人物の体が一瞬光るとその姿が消えてなくなった。
「あれはおそらくテレポートだな、それにバイラスのタコ足を切り裂くか…かなりの実力を持った魔法使いのようだな」
「……そうですか」
テレポートとかいいな~俺もそういう便利な魔法を使ってみたいぞ、などとくだらないことを考えてる場合じゃなかった。
「ギャガァアアアーーーーーーーッ!」
湖全体に響き渡るようなものすごい雄叫びが を上げながら湖面から巨大な何かが姿を表す。
それは当然のことながらバイラスである。
猿の上半身だけでも軽くは10m以上はありそうな巨大な猿、その顔は怒り怒っている、この距離からでも怒っているのがわかったぞ。
どうやらタコ足を輪切りにされてブチギレているようだ、しかしすでに謎の人物の姿はない。
やつあたりにでも現れたというのか?
「まずいぞ!」
「はい?」
バイラスが雄叫びをあげると湖の中から何本もの 巨大なタコ足が現れる、そしてそのタコ足が周囲を 手当たり次第に攻撃しだした。
「バイラスのヤツ、さっきのヤツが魔法で姿を隠してると勘違いしている。手当たり次第に攻撃してあぶり出そうとしているんだ」
なんだよそれ、俺たち完全に巻き込まれ事故じゃん、そんな荒ぶるタコ足の1本がこちらに迫る。
目に見えない何かに弾かれた、しかしそのタコ足を弾いたバリア的なものは一発で消滅する。
「私の魔法が破られた! 逃げるぞ!」
どうやら 姿を隠していた魔法が破壊されたようである、バイラスはこちらの方を見た。
完全八つ当たりする気満々って顔をしてるな。こんのクソ猿め~~。
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