第4話 げえむのはじまり
「マジか!やっと自分のセリフかと思ったら同じ振りかい、ミカ!」
「またまた~~のりのりだったくせに、ミチ」
ミチ、テへじゃない。テへじゃ。打ち合わせどうりじゃないのか、そこまで。まさか、来た人すべてこのパターンじゃないのか…。
「それで、わざわざここに精神体として呼ばれて、その惑星アルガズンっていうところだっけ?自分は何をしたらいいんでしょうか?」
「ジューローには首都ガズンから南に100km離れた片田舎、プスーッの村の農家の3男として転生していただきます。もちろん転生ですから、赤子として生まれていただいて、レッツ人生スタートです。ちなみに初恋は7歳の時に隣り町のミコちゃんで、その後ず~っとミコちゃんに片思いのまま農業を生業とし、18歳で好きでもない村長の娘とお見合い結婚をし、35歳で村長の地盤を受け継ぎ当選、45歳で息子に村長の座を受け継いだ後は隠居生活をし、52歳で何の波乱万丈もなく平々凡々とした生涯を終えます。すなわち死!」
「おおおおおおーーーーーい!なぜわしの生涯を説明した!しかもなんの起伏もない平々凡々の生涯を!今死んだばかりなのに…死って…ショック!ジューローショックよ!」
「いえ、ジューローは転生した後には、今この場で聞いた全部の記憶を無くしますので、安心してください大丈夫ですよ。あと、言い忘れましたが18歳で村長の娘と結婚する前に、すんごい好きだった隣り町のミコちゃんを町一番の暴れん坊アバレと取り合って決闘し、ボッコボコにされます。ボッコボコにね。そこがあなたの人生で一番の見せ場ですね。」
「おおおおおおーーーーーい!その見せ場どうでも良くね?ボッコボコなのおれ。アバレにボッコボコにされるんだ~~俺…。絶対に捨て鉢になったおれ村長の娘と結婚してない?そうでしょ?そんな情報聞きたくなかったわ~~。
なんかわざわざその星に転生するんだから、ほらよくあるチートな能力で、世界を救うつもりないんだけど、結局強くなってハーレムを形成して世界を救っちゃうっていう自分が40代の頃にはやったラノベっていうのかな?そういう展開はないの?」
「ラノベって…ああ、地球という星では今では既に廃れたジャンルですが、確かに一時代を築いた時がありましたね、ラノベ。そんな予定全くありません!これっぽ~~~っちもありません、微塵も。」
ものすんごいむかつく顔だなミカ。もしも、わしが童貞だったらお前をグーで殴ってやるところだったぞ。命拾いしたなミカ。
「それじゃあ別にわしが行く必要あるの。誰でもいいんじゃないの?」
「いえ、ジューローはそこに存在するだけでいいのです。そこにいるだけですべての魂に影響力を持つぐらいすごいのですよ。」
「…アバレにボッコボコにされるのに?わし…本当にそんなにすごいの~?自信無いわ~、行きたく無いわ~~そんな所。」
「よろしいでしょう。どんなにすごいか私からではなく、例え上手なミチから言ってもらいましょう。ミチお願いします。」
「おい、まさかつづくって言うんじゃないだろうな。おおまか担当さんよ。」
「だいたい普通の魂の器の人は、多くの人に関わる王城関係者に、何回も転生してやっと1000~10000人の魂に影響力を与えることができるのに、あなたは首都から離れたど田舎に存在するだけで、100万~1億人に影響力を与える事ができるの。それもたった1回の転生でね」
わしは唖然とした。自分の影響力の大きさにではない。おおまか担当のミチがまじめに答えた事にだ。
「もっとこう、ふざけて例えたらどう?」
「半分優しさでできているのが、ジューローの場合10割優しさなの。」
「バファ○ンか! わしゃ○ファリンなのか!」
「納得いただけましたか?まあ納得していなくても有無を言わさずに送るのですけどね。」
ザザッ
「他に何も無いようなら」
ザザッ
「最後はカウントダウンにて送り出しますので気持ちの整理を」
「んっなんかさっきから急にノイズみたいのが聞こえだしたけど、そういう仕様なのかな?わっかりました~。あとは我が人生に悔いなしって言えるように、頑張って生き抜きますよ。たとえボッコボコにされてもね。」
「めっちゃこだわるな~自分、ボッコボコに。」
「それでは、次に目ざめる時はここでの記憶がない赤ちゃんですので、頑張っていってらしゃい!」
ザザザザッ
「「5、
4、
3、
ザザザザッ
2、
ザザザザザザザーーーーーーーッ
「うわーーーーーーーーーーーーー」
急に床に穴が空いたかのような浮遊感に襲われ、わしは天地もわからず真っ逆さまに落ちていく感覚だけに捕われていた。
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
…………………げえむのはじまりだジューロー…………
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
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