玉狩り

なるカン

第1話 冤罪者

俺はさえない中年だ。

派遣職員、独身、全てにおいて冴えない!

好きな物はネット小説への現実逃避。

嫌いな者は、さわやかイケメンだ!爆ぜろ!


この日も、電車は混んでいた・・・。


車内の女子もあからさまに、

俺より、そこのイケメンの方に寄っているじゃねえか!

チッ・・・!

イライラしながらもスマフォでネット小説でも見て現実逃避だ。


「痴漢よ!!」女


は!?

急に横にいた女が、俺の手をつかんで叫び出した!

オイオイ待て待て!

俺は何もしてないぞ。スマフォ見てたし。

しかし、

周りは俺が犯人だと決めつけた様な目をしていた。

なんでだ?

俺はやってないのに・・・。

ん?

あのさわやか青年!笑ってやがる・・・。あいつハメやがったか・・・!

クソが!

丁度電車が停まりドアが開いたと思ったら、そいつは降りやがった!


「てめ~!」俺

俺はそいつを殴ってやろうと、女の手を解き、

イケメンを追いかけて一緒に電車から飛び降り、追いかけた!


「待てこら!クソ野郎がー!!」俺


腕を引き絞り一撃を・・・なに!?

瞬間、俺は誰かに足をかけられていた・・・

なに!?あの女!グルか・・・!

クソが!

俺はその勢いのままこいつに一撃だけでもと手を伸ばすが、

青年は俺の拳をあざ笑うかのように、

さわやかに身をかわしやがった。


くっ・・・そ・・・がっ・・・!


俺は、死んだ!


・・・はい。

その勢いのまま反対ホームから落ちて、電車にグシャリと・・・。

みじめすぎる・・・。

クソが・・・。

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