第11話

「おい...!」


「何を受け取ったんだよ、見せろ...」


藤島くんはよく見てた。


俺の左手、握り拳をなんとかして

解こうと必死だった。


「やめてよ...」


彼女の連絡先は死んでも死守したかったが、

ダメだった。


力で負けた。


勉強ばっかしてる俺は。


握力も弱ければ、腕力もサッカー部のイケメンには敵わなかった。

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