第4話

「それでもいいんだ。

俺は彼女の歌声と、笑顔に元気をもらってる。たまに見る、彼女が映るテレビだけが、

勉強に明け暮れてる俺の楽しみなんだ...!」


「はーっ。可哀想なやつ。

これだから、貧乏人は嫌だよ。

ポスターも買えない。CDも買えない。

グッズも買えない。俺はな、滅茶苦茶、投資してんだよ!バーカ!俺の方がお前より、

ヒロちゃんにとってはいいファンなんだよ!

大切にしたい、ファンなんだよ!」


俺と藤島は。前後に並び。


順番が来るのを待った。


先に藤島くん。


それから俺。


「ま、ヒロちゃんは清楚系にみえるけどな、

あんまりファンサービスよくないって噂。

てか、滅茶苦茶塩対応でさ、ちょっと

握手しただけで、交代しちゃう、

女の子だけどさ」


「ま、この、イケメンの俺様には!

金かけてる俺様は、特別扱いしてくれるっしょ!?」


「対して、おまえは!

秒で交代っしょ!!」


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