カメラを

薫る風が君の髪をはためかせた

ほんの僅かに匂いを変えた空気が僕の鼻をくすぐる

それはまるで君のために吹いた風

緑色の道

君が踏めば、花が開いたように光り輝く道

時間の流れが遅くなっていく

歌が聞こえる

目を伏せた君が髪をかき上げ、微笑んでいる

ゆっくりと空へ手をかざし、弧を描く

ステップを踏みだす

トンベ・パドブレ・グリッサード

緩やかな流れ

大きなジャンプ

スカートの布が夢のように揺れ広がり、光を散らす

少し恥ずかし気な君の頬が輝いて

その全てが幻のようで

一瞬の灯のようで

消えそうで消えないシャボン玉のようで

僕はただ無言で、君にカメラを向けた

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