愛だとか言って

それは八月のペリドットのように

好みも聞かず私に贈られ

白く枯れた珊瑚のように

滅びの予感を私に齎し

紫陽花を彩ったペディキュアのように

私の歩みを遅くさせ

偶然見つけたクローバーのように

愛だとか言って私を誤魔化す


それは冷えて蕩けたジンのように

私の頬を熱く火照らせ

街頭を流れる人波のように

私の孤独の輪郭を濃くして

タロットカードの愚者のように

無垢と夢想を行き来させ

触れ合う掌の温もりのように

愛だとか言って

いつまでも

いつまでも私を縛り続ける

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