夢を見ていました

シャボン玉が一つ、ふわふわと浮いていく夢でした

それは今にも割れてしまいそうで

それでも、いつまでも割れることなく

ゆっくり、ゆっくりと、空へ昇っていきました

マーブル模様に混ざりあったパステルカラーの中に、わたしの色んな顔が映り込みます


幼子のわたしはむすっとした顔

思春期のわたしは澄まし顔

大人になったわたしは、忙しそうな顔

いろいろあったわたしは、


今のわたしは、


いったい、どんな顔をしているでしょうか


笑っているでしょうか

怒っているでしょうか

泣くのをこらえているでしょうか


わたしは、ちょん、とつついて、シャボン玉を割ると、ごろりと寝っ転がって、目を閉じました


おやすみなさい


きっと今は、しあわせな顔

そう思って、眠るとしましょう

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