絵画
大理石の壁が目の前にあった
人の目を忍び、それでも厳粛に聳え立つ天然の大壁
白い肌に艶めかしく這う紋様は、天にて蟠る雲の群
斜めに罅割れた痕は稲妻の走り
土砂に汚されてできた大地
風雨に晒され、欠けた窪みが亡者の顔
絡みつく蔦は天に逆らう緑の森
また一つ、雨滴が流れ落ち、天使の涙となった
そう
これは生命の賛歌
足りないものはあと一つ
足りない色はあと一つ
私は自らの指先にナイフを這わせ、
その名画に、最後の色を塗り足した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます