冬
空は澄んできんきんと
地面はぬかるんでじゃぶじゃぶと
わずかに残る氷の柱が、ゆるゆると溶けていく
風はやんでしんしんと
月は満ちてさえざえと
私の吐き出す煙草の匂いが、ふわふわと溶けていく
寂しい気持ちはぐるぐると
どうにも帰りたくなくて、うろうろと
マフラーを巻いて膨らんだ後ろ髪を、わしゃわしゃとかき混ぜて
一台だけ通った車がぶんぶんと
ひとひらだけ舞った枯れ葉がはらはらと
寂しがり屋の女の心を、ほろほろとかき混ぜて
空は澄んできんきんと
月は満ちてさえざえと
寂しい気持ちはぐるぐると
女の心はほろほろと
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