第58話決戦の時

「これより、落ちた天使との戦争が始まる!我らの尊厳を守るため、覚悟を決めよ!」


城下を見渡すように高い王座からギルガメッシュ王の声が響く、いよいよ戦争が始まるのか・・・!兵士の一人一人がそれに答えるように声を上げる。


「死を恐れるな!死んでもなお、残るものがある!それは誇りだ!」


王と言われるだけあり、一言一言に強い力を感じる。かっこいいな、と思う。


「がんばろうね!コバヤシ!」


「ああ」


スラ子に返事をすると戦いの準備をするために市場に向かった。


















演説の後、買い物をする為に市場を見て回っていると「よお」とアレスに肩を叩かれた。


俺と同じでアレスも買い物に来たんだろうか。


「さっきの演説すごかったよな!ギルガメッシュ王が有名な理由がわかるぜ」


「確かにな、初めて見たけど圧倒されたよ」


素直に感情を述べると「たまにはそういう素直なことも言うんだな」と笑われたが。


「そういえば俺は、ギルガメッシュ王に呼び出されたんだ。作戦だとかどうとか・・・」


「アレスもなのか」


任せてほしい、とギルガメッシュ王に俺も言われている。


王が何を考えているかは分からないが。


そしてアレスは自慢げにこれを見てくれよ。とルーン武器を見せてくれた。


「すごいな。買ったのか?」


「いや、ギルガメッシュ王から届いたんだ。正直詐欺かと思ったぜ」


魔力を帯びた槍は紫に光を反射させる、上等なルーン武器だった。


驚いたが、その槍を渡すほど何か重要な作戦なんだろう。


コバヤシとアレスは言葉を少し交わすと別れた。














_____いよいよ明日だ。来るべき時がきたのだ。


そういえばマリーンがかなり前に何か俺に言葉を送った気がする。


コバヤシは珍しく葡萄酒を煽るように口に含んだ。

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