第48話本国帰還
本国を出立しておよそ2か月程。
ギルガメッシュ王の依頼を終え、国に帰ると真っ先にニイナ達、勇者パーティに声を掛けられた。
「あー!どこ行ってたの?最近全然見かけなかったからさ!」
「ああ。ギルガメッシュ王の依頼だ。戦争の準備だな」
「例の魔王だね。イシュタル様から言われたの、熾烈な戦いが始まるって」
ニイナは得意げに、
「勇者ならわたしに任せてよ!聖剣で直ぐに倒すんだから!」
腰に付けたカリュバーンに手を掛ける。
「済まないが、早くギルガメッシュ王のもとに報告しないと行けないんだ」
向こうでニナが手を振っている。
「コバヤシ!早くいくわよ!」
「ああ。すぐ行く」
コバヤシは軽く手を振るとギルガメッシュ王のもとに向かった。
「この度の依頼、ご苦労であったな。コバヤシよ」
「こちらが依頼の報酬です」
ギルガメッシュ王が指示すると、サナタリアが報酬の金貨をコバヤシに渡す。
「!?」
「わっ!大金だ!」
コバヤシは、ずっしりと金貨が詰まった袋を渡され驚いて言葉を失う。
どんな困難な依頼でもここまでの報酬は見たことはない。
「ギルガメッシュ王、エルフの里から言伝に参りました。ニナです」
「ふむ、一番説得が困難だと思ったエルフ族がまさか協力してくれるとは思わなかった。感謝する。・・・さて、用も済んだ。いま我は少し忙しい、泊っている宿でのんびりするといい」
コバヤシは邪魔にならないようにさっさとその場を後にした。
湯を沸かし、コバヤシは紅茶をいれる。
長旅でしばらくはのんびり出来なかったので、固くなった体を芯からほぐされる。
「ふう・・・」
____今日は鍛錬はしなくても良いだろう。さすがに疲れた。
紅茶とニナが分けてくれたエルフ族の貴重なクッキーのような保存食を味わう。
「うまいな」
「わたしにも頂戴!」
部屋でのんびりしているとスラ子が俺の部屋に入ってきた。
「ああ、いいぞ。・・・長い旅だったな」
「うん!わたしも役に立てたよね!」
クッキーを食べながらスラ子はどや顔をこちらに向ける。
確かにあの山賊たちはスラ子がいないと危なかったな。
「そうだな。お前はよく頑張ったよ」
スラ子の頭を撫でながらたまには褒めることにした。
「わっ!」
不意打ちされて驚いたスラ子を見ると、思わず、
「そういうところは可愛いと思うぞ」
と笑った。
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