第41話石工職人の里
_____!
_______!
ん・・・。
何かの声が聞こえる。
「おきて・・・!ついたわよ!」
「あ、ああ」
ニナはどうやら俺より先に起きていたようだ。
俺はどのくらい寝ていたのだろう。
馬車を下りるとすぐに洞窟の入口が見える。
「ここは・・・?」
「ドワーフの国の入口よ」
国と言うか、ただの洞窟にしか見えないが。
「ねね!リンゴある?」
「さすがにないわね・・・。」
「むう・・」
スラ子は残念そうに呟く。
・・・しかたないか。
「スラ子、これしかないがこれで我慢しろよ」
俺も食べてみたかったからか2こ、エルフの里からリンゴを拝借していた分がある。
「わっ!ありがとう!」
「私も貰おうかしら、いいわよね?」
「わかったよ」
3人は洞窟に入っていく、リンゴはなくなったが仕方ないか。
「エンチャント、燃えよ」
松明代わりに炎をエンチャントしたダガーをかざす。どのくらい向こうに進めばいいのか、迷うかもしれないし不安だ。
一応魔物が出るかもしれないのでそれも注意する。
「安心しなさい、魔物は出ないと思うわ」
「それならいいが」
____どのくらい歩いたのか。
デカい扉が目の前に現れた。すごいな。
ニナは扉を叩くと、ひげを蓄えた見るからにドワーフ、と言う感じの風貌の男が出てきた。
「なんだ、エルフと人間のパーティか?」
「ええ、ギルガメッシュの使いよ」
「ほう・・・」
俺はギルガメッシュ王の手記を見せる。
ついてに酒も。
(ニナ、なんで酒なんだ?)
(まあ見てなさい)
ドワーフは目を見開き酒を受け取る。
ニナはなにやらニヤニヤしている。
「・・・入れ。あまり街の物を触るなよ」
「ええ、族長・・・。オルグに合わせてもらえる?」
「わかった」
扉が開閉され中に入るといままでに見たことのない独特な石作りの建物が並ぶ景色が広がっていた。
ニナの話によると、ドワーフは石工職人ともよばれるらしい。
何故かと言うとその卓越した武器や建物を造る技術がこの世界に存在するあらゆるものを凌駕しているからだ。
ルーン武器か。
「お前たちはよそ者だ。族長に認められたらルーン武器を見せてやってもいい」
「ああ、すまない。珍しい武器だったのでつい、見てしまった」
_____大した歓迎ぶりだな。
物珍しそうにドワーフの民たちが俺たち三人を見ている。
「そろそろ着くぞ。族長に失礼が無いようにな、あと・・・」
この里の門から案内してくれたドワーフはこちらに酒を返すと、
「これは族長に渡してくれ、警戒して悪かった」
軽くこちらに会釈し門の方向に戻っていった。
「来たか、若造」
族長の部屋に入ると、族長・・・オルグと言ったか、
「久しぶりね。オルグ」
そこには思ったより優しそうなドワーフが腰を下ろしていた。
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