第40話 準備

 文化祭は、何がしたいかをクラスで話し合って、いっぱい案が出た。


 カフェ、お化け屋敷、射的、展示など意見が様々出たけど一つに絞り込まないといけない。

 この中で投票して決まった結果がカフェだった。


「シンプルなカフェは、嫌だ!」


 そんな意見が多くて女子は、メイド服。

 男子は、執事服にしたいと言ってる。

 男子がメイド服を見たいだけだろうとか考えていたら真帆ちゃんが話し合いに強制参加してきて意見を言う。


「もう一つの要素を付け加えよう!」


 嫌な予感しかしない。


「猫耳!!」


 男子は大興奮していて、女子は少し恥ずかしいと意見があるから男女つければ公平になるというので、みんなで付けることになった。


「怜ちゃんは、紳士服を着てみたくない?」


 みんなが席とか自由に移動していているから真帆ちゃんが近づきながら言ってくる。


「まあ、ちょっと興味あるなー」


「いいね。怜ちゃんの執事服に猫耳!」


 あー。もしかして誘導された感じなのか……。

 メイド服は、自分が着るの好きじゃないからいいけどね。


「先生にカメラを許可して、もらえるように交渉しに行こ!」


 真帆ちゃんは、いつも行動に移すのが早すぎるんだよな。

 兄貴に対抗できるのも、ほぼ女子だからすごい。許可を取れたからなのか上機嫌で戻ってきている。


「大丈夫だってー! さすが先生は、話が早くて助かるよね!」


 良い思い出になる写真の一つだから許可したのかな。


「雫の写真をいっぱい撮って焼いてください!」


 カメラが大丈夫と出たなら雫の専用アルバムに収めたい。


「いいよー! 執事服を着てもらえるし、お互いに良い協力関係が築けるね!」


 真帆ちゃんは、いい仲間だな。


「カフェにしたら予算が、かかってくるから安い飲み物と食べ物にしないといけないし衣装とか裏方までは、用意できないと思うから視野に入れておいてくれ」


 文化祭で何にするか決まったから黙っていた先生も口を出す。


 メニュー表などの用意とか仕入れなど、なんとかしないといけないだろう。

 購入係と準備係に別れて作業することになった。


 雫がどっちにするかで自分も決まる!


「私は、準備係の方にしようかな」


 よしっ、準備係になりたいって言うか!


「わたしも準備係になりたいです」


「人数足りてなかったから怜ちゃんで最後かな」


 クラスの実行委員会の子が言ってくれたおかげで雫と一緒に文化祭の準備できる。


 メニュー表のやつに何を売るかも決めないといけない。


「飲み物と食べ物を決めないとメニュー表に書けないから決めよう!」


 自分が手を上げて、みんなに意見を集める。


 飲み物は、オレンジジュースとお茶。

 食べ物は、アメリカンドッグとたこ焼き、りんご飴。


 両方のメニューが決まった。

 これで購入係が飲み物、コップと皿、爪楊枝、テーブルクロスと後は、安く売られている食べ物を購入するだけである。


 準備係は、さっそく分厚い画用紙などでメニュー表を何個か作らないといけない。


 テーブルも動かして敷居などに隠したり移動が面倒だった。

 自分はテーブルを動かすことをしていて雫は、メニュー表など書いて結局、別々の作業になったから離れた状態で、過ごす羽目になる。


 雫に重労働は、させられないから我慢するしかない。


 テーブルを二つに合わせて客席を作ったり裏方の準備スペースに机を置いたりした。


 後日、購入班が買ってくれたので着々と準備が進む。

 りんご飴は、手作りで作るのが安く上がるから飴を付ける作業も加わる。


 先生の指示もあって準備期間とか長かったけど外見も店っぽく作ることができた。

 準備している途中も真帆ちゃんが、カメラで撮影したりする光景があって微笑ましく感じる。


 接客経験のある人をホールとして接客させてレジとか担当を振り分けた。


 客を引き寄せ係として自分と雫が選ばれて接客などを文化祭当日までに叩き込まれる地獄の日々に変わってしまう……。

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