第22話 ネットの友達
「恋人になりました。そして、色々とご迷惑をかけてすみませんでした!」
真帆ちゃんと澪ちゃんに報告と謝罪をする。
「良かったね! 青春が始まるよー! 久々に、二人が近くにいる姿を見ると良い案を思いついた! 友達に報告しなくきゃ」
ん? 誰それ。えっ……。何だろう、報告って?
「無事に恋人になれて良かったね。真帆は、ネットで知り合った友達と一緒に漫画を作ってるみたい」
「へー。小説を書きながら漫画の制作もしようとするとは、凄いね!」
真帆ちゃんの目が輝いてる。凄く楽しそう。
「真帆ちゃん、ネットで知り合ったんでしょ? 実際に会ったことあるの?」
「まだ、ない!」
驚きの返事が来て自分でもびっくりする。
えっ、大丈夫かな? 最近のネットは、怖いことばかりで会って確認するとかして安心できる人ならいいんだけどね。
「真帆ちゃん、ネットの友達だから会って確かめないと、作品を一人で考えたみたいに言われる可能性もあるんじゃない?」
「あー、そうだよね。あたしから作品一緒に作りたいって誘ったら京蘭学校の近くに住んでるって言ってたから会う約束できるか誘ってみる!」
心配だし、もしかしたら性別とか男性の可能性もあるから自分もついていこうかな。
「真帆は、いつも突発的に行動するからインターネットとか会ったこともない人を作品の手伝いに誘うのはやめて」
普段、あまり表情を出さない澪ちゃんだけど今は違う。
真帆ちゃんを見つめているけど目が怒っている。
澪ちゃんが、怒ったところ初めて見た……。
「澪、でもこの友達の絵じゃないと嫌なの! 直感的に、この人と漫画制作したいってなったからお願い! 許して澪!」
「はー、でも一人で会うのは、さすがに危険。護身術とか使えないんだから、もし相手が男性だった場合は危なくなるの真帆だよ」
澪ちゃん、強い。たしかに、女の子が一人で行くのは、あまりに危険。
「護身術、習ってたよ」
自分が言ったことに澪ちゃんが、びっくりした表情で言う。
「まさか、身近に習っている人いないと思って、わざと無茶振りしたのに……」
えっ……。澪ちゃん、元から行かせる気がなかったんだ。
「大丈夫だって! 呼び出す場所を客が多いところとかにしたら、身の安全の確保もできるし!」
真帆ちゃんが、可哀想になってくるから思わずフォローしてしまう。
「そうだね。そこまで怜ちゃんが言うなら今回は許す。次、変なことしたら許さないよ」
真帆ちゃんが澪ちゃんに怒られて、顔がしゅんと落ち込んでいて、いつもの元気がない。
慰め係に雫を指名して真帆ちゃんの頭を撫でている。
真帆ちゃんが落ち込んでいる時にメールが来たみたいで即座に澪ちゃんが携帯を奪う。
「あー! 澪、ひどいー!」
携帯には、ネットで知り合った友達から返信が来ていた。
『予定を確認しますので返信は、次の日でも大丈夫ですか?』
「ふーん。明日、予定が決まるのか」
澪ちゃんがメールを確認して明日また話し合うことにしようと決まった。
その日は、真帆ちゃんと澪ちゃんが喧嘩したまま帰って行って自分と雫は心配だね、と話をして家に帰ることことにする。
家には、妹の
「どうしたのー? 悩んでるみたいだけど」
「いや、なんでもない」
どうしたんだろ?
自分に言えないような悩みがあるのかと察して、これ以上は、深く突っ込まないようにした。
次の日、真帆ちゃんから友達から連絡が来たと言って、三人にメールを見せてくれる。
『今週の日曜日が空いてましたのでお昼に京蘭高校の近くにカフェがありますのでそこで待ち合わせしませんか?』
相手もできるだけ人通りが多いところを提案している様子だ。
「なんか、相手の人もこっちを警戒してるから近場にある人気のカフェを提案したのかな」
自分の考えた意見を三人に言う。
「でも良いことだよね! こっちとしてもありがたい提案だから。それにあたしから誘ったから警戒されてるのかも」
真帆ちゃんがそう言うが元を言えば、自分が怪しい上に信頼できない人かもって言っちゃったから会うように提案してしまった自分が悪いと深く反省した。
「会えるんだー、楽しみ! 直接会うほうが制作も捗る。それに年齢が一歳年下の中学三年生って言ってたからどんな子か気になる!」
真帆ちゃんがネットの友達に会えるから楽しみにしている。
中学三年生って妹と同じ学年か。
そりゃ、警戒もされるのは、当たり前だな。
それに相手の子は、自分が有利になるように場所も先に指定して人通りが多いところを言ってた。
もし男だったら人通りが少ないところ提案するだろうと自分は予想する。
相手の子も警戒してるってことは、女の子なのかも。
話し合いの結果、雫はバイトがあるので三人で日曜日カフェに行くことになった。
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