第18話 気まずい距離

 やっぱり眠れなかった……。

 考え事をすると眠れなくなると言うのは、本当にある話だったのか。


 幸いなことに朝食を食べたらすぐにバスに乗って学校に戻るんだけど、授業もないから帰宅していいと言ってた。

 家に帰ったら寝れそう。


 とりあえず、誰も起きてないから一人で準備しよ。


 鏡でみると、クマが出来ている。

 眠い。だけど、雫がいるベットは緊張するし、気まずいから寝れない。


 ソファの心地良さで寝れるかも。


「おはよ」


 ソファに寝転がっている時に声がした。

 バッと起き上がるとそこには、雫がいて洗面所の方に向かながら言ってくる。


「起きるの早くない?」


「まあ、確かにいつもより、早く起きたかも」


 いつもの会話とは、思えないほどサバサバとしている。

 それにしても雫も、こんなに朝起きるの早かったんだ。洗面所に向かう雫に言う。


「様子おかしいけど怒ってる?」


「別に怒ってない」


 あー。会話が凄く冷たいよ……。それに言い方から怒っている。


「怒らせちゃったのは、ごめん」


「何で怜が謝るの。怒ってないよ」


 言葉に棘がある。許してくれてない様子だと丸分かりだった。


 もしかしたら一時の間、距離を置いた方がいいのかもしれない。


 決めた! 雫も距離を置く!

 そして仲直りする計画をする。


 原因を考えたけど……昨日の女子の恋話から機嫌が悪くなった。

 明日、真帆ちゃんと澪ちゃんに雫が機嫌が悪い理由を何か知っているか聞いて相談しようと思う。


 朝食を食べる時間が迫っていたのでまだ起きていない真帆ちゃんと澪ちゃんの二人を起こして朝食を食べに行く。


 いいな。二人は、ぐっすり寝ていたみたい。

 大きなあくびをしながらまだ寝足りないとか言ってたほどだ。


 旅館の料理もこれで最後なので味を噛み締めながら食べる。


 朝食を食べ終わったので荷物を持って旅館の方達にお礼を言ってバスに乗り込む。


 この旅館に来て色々な出来事があったけどまさか最後に喧嘩みたいな雰囲気になるとは思わなかったよ。


 バスの席は、行きと同じだったので雫が隣の席だ。


 バスでは、寝たふりをしてやり過ごす。


 何か、雫と会話しないのって結構辛いな。

 後ろにいる真帆ちゃんと澪ちゃんは、会話しているのにこっちは、何も会話がないんだから寝るしかないよね? 温度差が、ヤバすぎる。

 後、二人は、雫と普通に会話をすることができるのが羨ましいとか思っちゃう。


 時間が経つにつれて眠気が襲ってくる。

 結局、寝てた。バスは、学校に到着してて、誰が起こしてくれたのかと言うと、まさかの澪ちゃん。


 これには、理由があるけど自分と雫が寝てたからみたい。


 真帆ちゃんは、興奮してて先生にカメラを使用していいか聞いてて、あまりにも鬱陶しいから許可してたみたい。その後の真帆ちゃんの行動は、凄かった。自分と雫が寄り添って寝てたみたいだから写真をいっぱい撮ってたって澪ちゃんが平然と答えてくれた。


 後、連写してたのに全然二人共起きなかったのが凄いと感心もされてしまう。


 後日、写真撮ったのを現像してくれるって言ったので何枚か貰う予定である。


 先生がバスの中で明日からは、通常授業だから気を抜くなと言われて解散することになった。


 帰り道では、雫がチラチラと後ろを何度か見てたので自分がついてきてるのを知っているだろう。

 まあ、心配だから雫の数歩後ろからついていく感じで家に帰る。


 家に帰ったらすぐベットに行って寝てた。

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