消しカス
消しゴムを使うとき、どうしても出てしまうのが消しカスである。
それにしても、消しカスの厄介さと言ったら、もうそれはそれはひどいものだ。何が厄介ってそりゃ、あのまとまりの無いところだろう。
消しゴムで消したあとは、あいつらが机の上に散乱し、視界を妨害してくる。どうやら消しゴムの中には、カスがまとまってくれるやつもあるらしいが、そのためにカスをまとめるという作業が増えるのも、何か憎たらしいというか、うざったい。
あのカスに、腹を立てて机からはたき落とすと今度は床が汚れる。しかもカスのくせに妙に目立つ。それなりに綺麗が好きな私には、許しがたい光景なのでやはり拾う。しかし、拾うにも労力を使う。まったく、人のことを考えんやつだ。
それにしても、このまとまりが無いところや、人を思わぬ態度、そして、元である消しゴムに意地でも戻ろうとしない頑固さは、家出少年または、家出少女を彷彿とさせる。
親である消しゴムに嫌気さし、家を出て絶対帰ろうとせん。しかも、それを私が拾うと、他人とまとまろうとせず、しまいには私の恩を忘れ、ひどい態度をとる。まったく、こんなカスはさっさと消しゴム警察、消しカス科にでも引き取られて説教されたらいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます