第29話 海風先生の魔法授業 3 初級魔法

「はい では兄さま これから魔法について講座と実技をしていきたいと


 思います。」




「はい お願いします。」


ついに ついに魔法の授業が始まる。


前 襲撃された時に教えてもらったけど、あの時は本当に少しだけだったからな


習得した魔法もアイス・ランス《氷の槍》だけだったしなぁ




「では兄さま 先ほど魔法属性について聞きましたが、


 魔法のランクって分かりますか?」




「魔法のランク?」


そんなの聞いたことがない


俺が呼んでたラノベでもなかったような気がする。




「分かりませんよね


 では、お教えします。 まず魔法ランクとは、その名の通り魔法を強さごとに


 級ランクで分けたものです。




 どのような分け方かというと




 初級魔法、中級魔法、上級魔法、超級魔法そして、神級魔法の5つです。


 まぁ神級魔法に関しては、女神しか使えませんので実質的には4つですね。




 ちなみにこの前教えたアイス・ランス氷の槍は、中級魔法に分類されます。




 そして、この魔法分類はランクが上の魔法ほど使用魔力が上がります。


 まぁ兄さまの魔力量はおそらく多いと思・い・ま・す・のでご心配はないと思います。」




「・・・そうか」


ってなんだよ


っていうか、ついさっき魔力切れで意識失ったよな。




「まぁ 一応念のため魔力増幅の練習もしておきましょうか?」


「お願いします。」


「了解いたしました。 では、最初に初級から練習します。


 私が詠唱しますのでそれに続いて兄さまも詠唱してください。」




「分かった。」




「では、始めます


【初級氷魔法:アイス・スパイク《氷の杭》】では兄さまも」




「・・・分かった 【初級氷魔法:アイス・スパイク《氷の杭》】」




シャキン


目の前に氷の鋭い針が地面から出てきて


魔力を抜くとすぐに霧になって消えた


氷の針が出てきた所は、何もなかったかのように元通りになっていた。




「兄さま すごいです!


 まさか一発で出来るなんて思ってもいませんでした。」




「そうか ありがとう海風。」


「いえいえ この魔法は、主に敵の進行を遅らせたり


 牽制に使うものです。」




「分かった 次に行こう」




「はい 兄さま」




その後は、休み時間なく魔法を使い


夕方には、もう魔力が残っていなかった。


「海風先生 疲れました。」




「そうですか まぁ今日はよく頑張りましたし


 終わりでいいでしょう。 


 ですが、最後に今日教えた魔法を復習してから終わりましょう。」




「・・・分かりました。」


もう正直ふらふらだったがこれで終わりと聞き


最後の力を使い、魔法を放った




「【初級氷魔法:アイス・スパイク《氷の杭》】


 【初級氷魔法:アイス・アロー《氷の矢》】


 【創造氷魔法オリジナル:アイス・チャージ《氷の榴弾》】」




魔法を放った後、俺は意識を失った




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「兄さま 起きてください」


意識が戻ると海風に膝枕をされていた。




「ふう~ やっと起きましたか」


「? どれぐらい意識失ってた?」




「大体1時間ぐらいです。」




「そうか 結構寝てたな。」




「ええ ですが、それだけ兄さまが頑張ったということです。


 それに最後のアイス・チャージ あれって兄さまが考えたのですよね。」




「そうだ。」




「あの魔法 相当強いと思います。


 よく思いつきましたね。」




「そんなに 強いか?」




「ええ」




俺が考えた魔法 【アイス・チャージ《氷の榴弾》】は、


敵に当たった瞬間 破裂して周囲にガラスの如く鋭く尖った氷の破片が飛び散る


俺の想定では、その破片が敵に刺ささり少しでも動きを鈍らせるぐらいの強さだと思っていた。




だが、


「兄さま おそらく【アイス・チャージ】は、大抵の魔物に対して


 致命傷を負わせる事が出来ると思います。」




「そんなにか?」




「ええ


 ちなみに明日は、中級魔法をお教えしようと思いますが、


 よろしいでしょうか?」




「ああ 頼む」




「はい 分かりました


 では、兄さま 今日は、お疲れさまでした。


 今からは、私は講師ではなく兄さまの妹です。


 たくさん甘えますのでよろしくお願いいたします。」




その後 俺は海風とたくさん遊んだ


正直 講師の時の頼れる感じの海風と妹としての構ってちゃんの海風 


ギャップがありすぎて余計妹のときの海風が可愛く見えてくる


これが、ギャップ萌えと言うのであろうか。




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追記: 【初級氷魔法:アイス・アロー《氷の矢》】とは、


     その名の通り氷の矢を飛ばす魔法です。


     この魔法は、普通の矢に氷属性を付与してあり、    


     効果は、鋭さが増し 


     当たると 凍結 悪寒 吐き気 眩暈 低体温症 ひどければ死に至る


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