第12話 ハンスの気持ち 後編

私は、悲しみで泣きながら布団に入った


十中八九ラーモンド様の妬みだろう


自分よりレイビス様の方が貰った魔法がよかったから自分の地位が


危うくなると思ってレイビス様を殺す又は捕えて適当に罪を着せて


処刑するんだろう




ただ当然断れなかった私も同罪だ


これでレイビス様の事が好きなんて笑われる




しかし当然断る事は、出来なかった


断れば家族が殺させる


仕方なかった


でも


「レイビス様を殺すことなんてできない」


メイドとして、仕えていた日々


剣や読書したり一緒にした日々


そして、好きな人に


剣を向けることなんて私には、出来ない


でも仕方ないんだ


許してくださいレイビス様




時刻は、午前4時


まだ冬なためすごく寒い




私は、アルス家の私兵3000の内


1000人を率いてレイビス様の屋敷へと向かった




そして、屋敷の近くで部隊を二つに分けた


一つは、先発隊として300名


二つ目は、後発隊として、700名




なぜ二つに分けたかというと


出来れば戦いとくなかったからだ


出来ればレイビス様には、自分から捕まってほしい


もちろんレイビス様は、なにも悪くない




けど


レイビス様には、死んでほしくない


すぐに捕まってくれたら


何としてでも逃がす


絶対に処刑なんかさせない




そんな思いで先発隊300名を出発させた


しかし




「ハンス騎士団長 先ほど屋敷に突入した先発隊300名


 250名死亡 50名戦闘不能です。


 私は、戦闘不能兵の中でもまだましな方だったので


 報告しに参りました」




先発隊を出撃させた数分後


先発隊全滅の報告がされた




私に残された選択肢は、


一つしかなかった




それは、私の手で


捕えることだった




そうすれば私の報酬として


レイビス様を私の支配下に置け


ラーモンド様に処刑されずに済む


そう思い、私と後発隊700名が出撃した




屋敷に入った瞬間


私は、戦慄した




玄関(大広間)には、死体の山が出来ていた


腕や足の無い者


首から上が無い者


肉塊になっている者など


そして、あたり一面


血の海だった




そして、玄関正面の大階段の上に一人の姿が見えた




レイビスだ!と思った瞬間




いきなり氷の槍が飛んできた


それも数十本である


私の配下の騎士が次々と倒れていった




その時


一筋の光線が放たれた瞬間


レイビス様が倒れたのだった




私は、すぐにレイビス様にかけよった


私は、絶望した


レイビス様の腹部に穴が開いていて


そこから血が流れていた




「これで終わりですね


 出来れば殺さずに捕えたかったですが」




私は、振り向いた


そこにいたのは、教会の神父だった


おそらくさっきの光線は、この神父の魔法だろう




私は、ラーモンド様を恨んだ


レイビス様は、何も悪くない


ただラーモンド様より貰った魔法がよかっただけで


殺された


私も悪い


私も止められなかった




(どうか レイビス様を生き返らせてください)


と心の中で私は、祈った




すると


レイビス様の腹部が凄まじい速度で塞がっていくのだ


私は、叶った!とすごく喜んでいた




その後、レイビス様の腹部が完全に塞がり


ラーモンド様の下へ連れていかれた。


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