白と黒の決着
レモン
長年の決着
宇宙の生物が一匹もいない星の一つで閃光が走る。
「どうしたお前の実力はこんなものなのか!!」
そういうのは黒く禍々しい鎧を纏い背丈の倍近くある大剣を構える魔人。
「なんでこんなことをするんだ!!」
それに対抗するのは、白く神々しい鎧を纏い二本の細剣で大剣を迎え撃つ魔人。
「私たちはかつて、ともに背中を預け戦ってきた同志こんなことはやめるんだ。」
「私だってこんなことはしたくないんだ。」
涙を流しながらも攻撃を緩めない黒い魔人
二人の戦いは止まることなく続いた
そして、白い魔人が二本の細剣を輝かせると黒い魔人も大剣をに力を込める。
二人の魔人の剣がぶつかると星が砕けなくなった。
魔人の姿もなく二人が身に着けていた白と黒の2つのブレスレットが宇宙を舞った。
かつて、二人は数多の星、数多の宇宙を旅してきた仲間だった。
どんな困難も二人で乗り越え、戦ってきた二人で一人の存在だった。
旅するところで名前を覚えられ二人の名前は宇宙では有名だった。
二人の魔人の名前を知らない者はいないほどに
ある一つの星を除いて
「なあ、暗闇この後どっか遊びに行こうぜ。」
肩に腕を回して暗闇に話しかける
「嫌だね、俺は帰ってゲームでもするよ、輝光。」
回された腕を振りほどき一人前へと出る。
「いいから、この前親父の実家に遊びに行ったときに面白いもの見つけたんだよ。
そう言って暗闇に、見せたのはぼろぼろの巻物だった。
「この巻物には、昔空から怪しい炎が山に降りそれを神の怒りと読み取った当時の人は、降ってきたものを崇め祠を作ったらしい。」
輝光は楽しそうにしゃべっていた。
「その祠がある場所がなんとあの、星降りの山なんだよ。」
星降りの山は二人が通う高校が所有している山だった。
「そんなに行きたいなら、一人で行けばいいだろ。」
暗闇はめんどくさそうな顔をして誘いを断った。
「水臭いこと言うなよ~。今度出る、新作のゲーム買ってやるからさ。」
その週の土曜日
「ゲーム一本で来るんじゃなかった。」
暗闇は、輝光にゲームを買ってもらう代わりに祠探しに付き合った。
「おい、輝光その祠はどこにあるんだよ?」
暗闇は、山登りに疲れていた。
「知らねえ。」
輝光はわくわくしながら山を登って行った。
「なんで、あいつはあんなに元気なんだよ。」
愚痴をこぼしながらも山登りをする暗闇がふと横を見ると木に隠れた洞窟を見つけた。
「なあ輝光あれじゃないのか。」
懐中電灯を洞窟のほうにむけながら洞窟のほうに向かう
「おい、暗闇抜け駆けはよせよ。」
暗闇が進んだ後を急いで追いかける輝光
輝光が暗闇に追いついて二人は洞窟の奥へと入っていく。
すると奥には苔に覆われた石の箱を祀ってある祠があった
「やった!!見つけたぞ暗闇。まさか本当にあるなんて。」
「ああ!!やった!!見つけたぞ」
最初は乗り気では無かったけど目的のものを見つけて二人はよろこんだ。
「さてと、中身は何なのかな。」
輝光が蓋を開けると中には白と黒のリングがあった。
輝光がリングに触ろうとすると二つのリングが光りだして二人の頭の上に一つずつ止まった。
輝光の上には黒いリングが
暗闇の上には白いリングが止まった。
二人は頭の上に来たリングを取るとリングはひとりでに右腕にくっ付いた。
すると二人の頭の中には白と黒の魔人の記憶が流れ込んできた。
お互いが見つめあうと輝光の目は黒く暗闇の目は白く光った。
輝光は暗闇のに向かって
「ヴァイス?」
暗闇は輝光に
「シュバルツ?」
と呼び合った。
二人は流れてきた記憶に耐えられずその場に倒れた。
朝日が洞窟内に差し込み二人を照らすと二人は目が覚めた。
「おい、大丈夫か輝光?」
暗闇がそう聞くと輝光は黙って立ち上がり一人どこかへと行ってしまった。
「おい、どこに行くんだよ輝光。」
暗闇は輝光の後を追って洞窟の外に出ると、朝日で目がくらみ輝光がっ先ほどまでたっていた場所には、黒く禍々しい鎧を着た魔人へと姿を変えていた。
黒い魔人はこちらを見てニヤリと笑うとどこかへ飛んでってしまった。
目の前の光景に驚いていると
「シュバルツのほうが先に目覚めてしまったか。」
どこからともなく品の高い声が聞こえてきた。
暗闇は流れてきた記憶の主だと察した。
「お前がヴァイスなのか?」
恐る恐る腕輪に話かける暗闇
「まさかそんなことあるわけないか。」
自分を落ち着かせるために深呼吸をすると
「お前とは失礼な。あなたよりは年上なのですから、言葉に気を付けてください。」
「腕輪から声が聞こえるー!!」
暗闇は、人生でこれ以上ないほどに驚いた。
「いろいろ思うところはあるかもしれませんがシュバルツが目覚めてしまっ以上時間がそれほどありません。私の名前を知っているということは、私の記憶があるのですか?」
ヴァイスは何かを焦っているようだった。
「全部が全部あるわけではないけど多少は知っているよ。」
暗闇は、腕輪と会話していることに疑問を抱きながら答えた。
「少しあなたの体の主導権をもらいますがよろしいですか?」
ヴァイスは暗闇が答える前に強制的に主導権を奪い腕輪に手を当てた。
すると腕輪が輝き、暗闇を眩い白い光が包んだ。
光が消えると暗闇の姿は、白く神々しい鎧と背中から3対の翼が生えていた。
「私の知っている鎧とは違うな。」
そういうと、暗闇の体の主導権を手に入れたヴァイスは宇宙に向かって飛びあがった。
「あの、ヴァイスさん?どこにむかっているんですか?」
暗闇はヴァイスに聞いた
「シュバルツ、君の友達の輝光のもとへ向かっているんだよ。
シュバルツは今宇宙の特異点へと向かっている。
彼は、そこで宇宙のバランスを崩して、数多の宇宙を破壊しようとしてい る。」
暗闇はヴァイスの記憶を多少なりと持っているが話を聞いても理解できなかった。
「簡単に言えばシュバルツを止めないとみんな死んでしまうということだ。」
ヴァイスは清々しく答えた。
「もうすぐでシュバルツの元へと到着するが、私はシュバルツを葬り去らなければならないない。シュバルツを葬り去ったあと、君の友達の輝光の命は保証できないが、我慢してくれ。」
ヴァイスから告げられた言葉に暗闇は驚いた。
「ちょっと待ってくれよ。」
暗闇はヴァイスを止めようとするが
「さあ、到着だ、覚悟を決めてくれ。」
そういうと、シュバルツの背後からヴァイスは二本の細剣で襲い掛かった。
寸前のところで攻撃を躱すシュバルツ
二人はまたしても無人の惑星に降りた
そのあと、しばらく無言の切りあいが始まった。
お互い一歩も引かず攻撃の速さを緩めることなく剣を振るった。
お互いがいったん距離を取ると
「待ってくれよヴァイス、輝光は俺の親友なんだこんなことやめてくれ。」
何とかしてヴァイスを止めようとする暗闇だが
「シュバルツだって昔は私の良き戦友だった。だが突然、あいつは私を裏切り宇宙を破壊しようとした。私は止めるためにシュバルツと戦ったが結局止められず、お互い力尽き腕輪に魂を封印した。
私は、友であるからこそ過ちをする前にシュバルツを止める責任があるんだ。」
暗闇はそのことを聞いてどうすることもできない自分に絶望し、輝光を見た。
「暗闇戦いに集中してくれ、君のが迷っていると体が動かしずらくなるんだ。」
暗闇の同様のせいでヴァイスはシュバルツに押され始めている。
「覚悟を決めるんだ、暗闇。」
輝光を見る暗闇すると、シュバルツの動きが止まった。
「暗闇なんだろ、お前。」
喋ったのは輝光だった。
「俺がしゃべられるのは、おそらくそう長くない。シュバルツの記憶を見たんだ。
このままいけば、俺は取り返しのつかないことをするだろう。だから、俺は自分でできる限りのことをしてみる。」
シュバルツに抵抗しているのか輝光の声はどこか苦しそうだった。
徐々に声は小さくなり始めた。
「暗闇、お前が親友で俺はうれしかったよ。本当はもっと遊びたかったけど。」
とぎれとぎれになり始めるともう、何を言っているのかわからなかった。
そして最後に、
「ありがとう、暗闇。じゃあな。」
その言葉を最後に輝光の声は聞こえなくなった。
聞こえなくなるとシュバルツは動き出し、ヴァイスに向かって切りかかろうとすると、剣を振り上げた瞬間動きを止め剣先を自分に向け突き刺した。
しばらくその場に立ったシュバルツは仰向けになる様に倒れた。
倒れると、兜が取れ輝光の顔が表れた。
その顔は、大義を成し遂げたように健やかに目を閉じていた。
ヴァイスに腕輪を見つけた洞窟まで返してもらうと一緒に連れてきた輝光を置いて
ヴァイスは、宇宙に飛んで行った。
冷たくなった輝光を抱いて暗闇は泣いた。
月が二人を照らした。
月明かりに輝いた涙が輝光の頬に落ちた。
白と黒の決着 レモン @lemosuka
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